週刊あはきワールド 2019年5月8日号 No.617

治療家のためのセルフエクササイズ 第37回

筋バランスを整える重要部位6

~筋トレ編(5)腹筋群のトレーニング(その3)スタビリティー腹筋群2~

ATC&鍼灸師 山下貴士 


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 体幹の前面に位置する腹筋群だけを集中的に鍛えるには、体幹の屈曲伸展動作を伴うエクササイズを行うこともありますが、体幹を機能的にトレーニングするときには、できるだけ体幹を固定し大きく動かさないことも大切です。なぜなら、実際に立位で大きな力が必要となるときには、体幹の屈曲伸展などの動作は行わないからです。例えば、床に置いてある段ボールを持ち上げるところを想像してください。立位体前屈のように腰椎を最大限に曲げて、持ち上げると、腰への負担はとても大きくなることが想像できます。これは典型的な腰を痛める体の使い方です。物を持ち上げる理想的な動作は、膝を曲げて体幹を固定して、足の力を使って持ち上げる方法です。

 これは、スポーツの世界でも同じです。理想的な投球動作や打撃動作は横隔膜以下の脊柱を固定し、腰椎を大きく動かす動作は見られません。これは、大きな力を発揮するような動作の時に体幹が大きく動いてしまうと、軸がぶれ、運動連鎖が乱れるからです。その結果、力をうまく伝えることができず、対象物に伝わらなかった力は腰椎などに働いてしまい、障害の原因になってしまうのです。

 このような理由で、実際の動作を考慮に入れたときには、体幹を鍛えるトレーニングでは体を伸ばした姿勢が大切です。体幹を鍛える有名はエクササイズであるプランクも脊柱を伸ばしたまま行います。

ストレートロール

 ストレートロールは、床に寝た状態で、両手両足を伸ばし、横向きに転がっていくエクササイズです。子どもの寝返りは、まさしく成長過程に必要な体幹を鍛えていると言っても過言ではないのです。しかしながら、子どもの場合は、体が柔軟で筋力も十分ではないので、大人の筋力トレーニングとしては適していません。トレーニングとして行うときには、体を真っすぐにしてロールします。注意するべき点は、体をなるべく捻じらずに、体幹の筋を使ってロールすることです(図1~図3)。初めは難しいのですが、ロールするときにスピードを一定にするようにすると、体幹の深部にある筋をより使うことができます。特に側臥位から、背臥位、または腹臥位に移るときに、ブレーキをかけるように体幹の筋を使っていくとより効果的です。

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