週刊あはきワールド 2019年6月5日号 No.620

東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けて 第9回

スポーツ選手の膝関節痛に対する鍼灸マッサージ

筑波大学オリンピック・パラリンピック総合推進室 宮本俊和 


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Ⅰ.はじめに

 スポーツによる膝関節の外傷・障害は、足関節や腰とともに最も発症頻度が高い。膝関節は、人体で最も大きな荷重関節であり、骨の形態が不安定なために靭帯と関節を取り巻く筋肉によって安定性を保っている。















 スポーツの基本動作であるジャンプやランニングの繰り返しは、膝に歩行時の何倍もの負担をかけ慢性の障害の原因となる。また、ラグビーやバスケットなどの接触プレーやスキーなどによるスポーツ中の転倒は、靱帯損傷や半月板損傷の原因となる。

 膝の外傷・障害は、①扁平足やO脚などの選手の身体的要因、②走行距離、スピード、練習時間などの練習量の要因、③靴の状態や路面の硬さなどの用具や環境要因に影響されるので、運動の許可条件や用具の変更を含めて、鍼灸マッサージでできることは何かを考える必要がある。

 鍼灸マッサージ治療は、主として、スポーツ特有の繰り返し動作によって起こるジャンパー膝や腸脛靱帯炎などのスポーツ障害に利用されている。靱帯損傷や半月板損傷などのスポーツ外傷に対しては、疼痛対策として用いる。腫脹、熱感などの炎症状態の程度や関節の不安定性などを考慮して治療する場合があるが、不安定性が高い場合は手術適応になることが多い。主として、術後のリハビリテーションの段階で用いることが多い。

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