週刊あはきワールド 2019年6月12日号 No.621

新米鍼灸師の研修奮闘物語 File.26

Resident.SeのBSL(Bed Side Learning) Diary(26)

~被災地支援! 医療面接に1時間はかからなくなったけど…~

鍼灸レジデント3年目 平岡遼 


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 第24回では福島県川内村の医療ボランティアの話をさせていただきました。6月の13~16日には川内村プロジェクト第2回が始まります。今回も有志の医大生や鍼灸師の先生が参加してくださいます。さて、今回のご報告は第1回ではどんな方が鍼治療を受けにいらしたのか、私は何を学んだのか、などを振り返りたいと思います。

■進む高齢化が反映された受療者

石川今回は新しい場所での医療支援でした。平岡さんがデータをまとめてくれました。どんな人がいらしたか教えてください。

平岡2日半の治療日に合計61名の方がいらっしゃいました。複数回いらした方もいて、延べでは97名でした。

石川支援初回でも人が集まってくれたのは、震災直後から川内村への支援をずっと続けてきた看護師の方が働きかけてくださった力が大きいですね。役場の方や村の診療所の先生もとても協力的でいい雰囲気の中で医療支援をさせていただくことができました。

平岡川内村の方々は、治療を受けにきてくださった方同士も自然に声を掛け合っているのが印象的でした。

石川川内村では帰村者の高齢化率の高さも問題ですが、今回の受療者はどうでしたか?

平岡平均年齢は67.8±14.1歳でした。岩手や熊本など他の支援地では60歳前後のことが多いのでやはり高めだと思います。男女比は女性が75.4%で多めですが、どこの支援地でも女性が多くなる傾向は同じです。

■問診だけで1時間!…は減ってきた

石川これまでの医療支援と比べると、平岡さんは多くの患者さんを診ていましたね。

平岡はい、2日半の間、ほとんどフル稼働で治療させていただきました。

石川以前に比べてなにか変化は感じましたか?

平岡一人で診察することができる範囲がレベルアップしたと感じました。特に腰痛、膝痛、肩痛など、整形外科疾患についてはいつも勉強させていただいているおかげで、スムーズになってきている気がします。ただ、危ない疾患じゃないかなどのリスク管理や病態の判断についてまだまだ発展途上です。

石川以前は延々と問診し続け、1時間たってもまだ治療していない! と叱ることも多かった平岡さんですが(笑)、今回そういうことは少なくなりました。

平岡患者さんにはとっても申し訳ないことをしました…。「日常診療でできないことは災害現場でもできない」というのは災害医療では耳にタコの言葉ですが、本当にそのとおりだと実感します。普段の診療でやれることだからこそ心にも余裕が出てきました。みなさん初診なのでリスク管理のためには自分に余裕がなければ気づけないことも多いなと感じました。

石川どんなときに感じましたか?

平岡訴えが多い人のときです。これまでは話されるがまま延々と聞いてしまい、何が大事なのかもわからず自分の頭も大混乱! となることが多かったのですが、今回は、見逃してはいけないリスクはないか、メインで治療するのはどの訴えか、治療しないのはどれかという風に分類しながら比重を変えて話を聞けました。主訴を聞いたあとに既往歴を聞くとがんの既往がある方が2人いらして、主訴でてんてこ舞いになっているとそこまで気づけなかったかもしれないと感じました。

石川はじめのうちはなんでも聞いてしまい患者さんに翻弄されてしまいがちです。平岡さんが1年目のときに患者さんの食べた餃子の具を質問していたのは有名な笑い話です。

平岡あぁ! やめてください!(笑) 今でも医療的に意味のある質問をできているのかは課題ですが…。話を戻して、整理して聞けるようにはなってきているのですが、カルテを見返すとまだまだ不足していることも多いです。腰痛のオンセットがちゃんと聞けていなかったり、内服や既往歴をまったく聞いていなかったり、反省です。

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