週刊あはきワールド 2019年8月7日号 No.628

東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けて 第11回

肉離れに対する鍼治療

筑波大学オリンピック・パラリンピック総合推進室 宮本俊和 


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Ⅰ. はじめに

 これまで、スポーツ障害の鍼治療について取り上げて来たが今回はスポーツ外傷について述べる。スポーツ外傷で鍼治療を受療する代表的な疾患は肉離れと足関節捻挫である。特に肉離れは、筋肉性の愁訴を得意とする鍼治療にとっては、最適な疾患であるが、運動の許可条件(どの程度の運動をしてよいか)を間違えると再発を招くことがある。

 筑波大学でスポーツ選手の鍼治療をした部位をみると、腰痛の次に多いのが大腿部であり、そのほとんどがハムストリングの肉離れである。





































 肉離れは、疾走、加速走、跳躍などの動作で筋肉に急激な張力が作用して筋線維や筋膜などの一部に損傷が生じたものをいう。二関節筋に起こるため、ハムストリング(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)に発症することが多く、ついで大腿直筋、大腿内転筋の順に多い。

 最近の肉離れの研究では、肉離れは、①筋・腱移行部に起こる、②二関節筋に起こる、③受傷筋の遠心性収縮に起こる、といわれている。 

 近年、肉離れや足関節捻挫の外傷に対する鍼灸治療の期待が高まっているが、炎症が鎮まっていない状態や筋収縮時の不安感を抱えたままで現場に復帰すると再発する場合が多いので、治療に当たっては、初期治療の対応と段階的リハビリテーションが重要であり、運動の許可条件や再発防止を常に念頭に入れておくことが大切である。
 

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