週刊あはきワールド 2019年8月21日号 No.630

全力で治す東西両医療 第40回

薬大生が感冒の臨床推論に挑戦

~「臨床推論」が入っている医療面接をしよう~

 (1)木村朗子(2)石川家明 


◎第38回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(27)
      ~災害地へ一緒に行った医学生へ答える~
      (石川家明・園田幸恵)
◎第37回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(26)
      ~症状から、東西両医学の臨床推論、そして選穴へ②~
      (荒川和子・佐藤もも子・木村朗子・石川家明)
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(1)木村朗子:ともともクリニック院長
(2)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表

 臨床推論花盛りのこの頃、薬学部生のみなさんと東西両医学の臨床推論講座を開始することになりました。薬剤師さんが、患者さんから直接医療情報を収集して患者の状況を評価するのに必要な医療思考のプロセスである臨床推論のスキルを学ぶことは、多職種連携の地域医療では必要なチームワーク力となります。今後月1回の開催を予定しています。鍼灸師の皆さんも、薬学部生の皆様と相互交流しながら、ぜひ一緒に臨床推論を勉強しませんか? 今回は、第1回目の講義を生中継します。

■薬大生が東西両医学の臨床推論に挑戦

 初めまして。TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西医学研修の会)の石川家明と木村朗子です。これから、みなさんと東西両医学の臨床推論を勉強していきます。何事も実力をつけるためには<参加すること>が大切です。そちら側に座って受動的に学ぶのではなくて、身を乗り出して能動的に学習をしてほしいと思います。そしていつも「なぜだ?」「どうしてか?」と疑問を持ってほしいのです。こちらも、毎回終わった後に「面白かった」、「充実していた」という講義になるように頑張りたいと思います。そして、質問をしたくなるような双方向的な勉強会にしたいと思います。それには、参加している皆さんの側にも努力が必要です。「なぜだ?」「どうしてか?」というのは学びの基本的態度です。それを持ち続けていてほしいと思います。常に「考える」ことをやめない、「考える力を養成する」学習会にしたいと思います。

 皆様に最初の申し上げておきたいことにはもう一つあります。現場に参加して直接患者さんに触れたり、見たりする実体験こそが臨床の実力をつける近道です。ですから、ぜひTOMOTOMOの勉強会や臨床現場にも参加していただきたいと思います。私たちTOMOTOMOとは2001年に成立した医療ボランティア団体でありながら、医療従事者の相互学習研修の会でもあります。その理念は「友と共に生きる、学ぶ、治す、支える」というものであり、また東洋と西洋、患者と医療者、家族と医療者、男と女が、「共にいる」、「友にいる」という思いが込められています。

 私たちのモットーとして「患者を不幸にしないために西洋医学を学び、患者を幸せにするために東洋医学を学ぶ」を掲げています。これは病気を治すチャンスを失ったりして不利益を与えないためにしっかりと西洋医学を学び、西洋医学で対応できない部分をカバーするために東洋医学も学ぶ必要があるということを学習のテーゼとして全面に打ち出しています。

 また、過疎地や被災地に出向いて健康相談や無料鍼灸治療をしていますので、そこでぜひ実際に患者さんたちを一緒に診ていただきたいと願っています。クリニックや鍼灸院を含めて、鍼灸や漢方薬がどの程度に効果をあげているかを皆さんの目で確かめていただきたいのです。

■臨床推論とは何か

 臨床推論は、今日世界的に臨床教育現場で取り上げられている新しい教育的方法です。医療者は患者を目の当たりにすると、どのように思考しているかを「学問」として示す学習です。俗に、「デキル医師の頭の中を見せる」方式と俗にいわれています。これは凡医でも名医の思考方式を学習可能であることを示している言葉でもあります。本当にそうなのかなとも思う向きもありますが、努力すれば「名医」になれるかもしれないと思う方が心強いですね。正確に素早く誤診の少ないデキル医療者の思考法を再現することが可能になってきた。これも、EBMとビッグデータ時代を向かえた恩恵でしょう。数値化、データ化され、EBMで積み重ねたものと、名医による経験と勘は一致する点が多いということがわかってきたのですね。そのために、従来の教育法と違って、覚えるだけではなく考える力をも養成する方によりシフトしてきていると思います。(図1)
 

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