週刊あはきワールド 2019年9月11日号 No.633

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.65-2

運動器系疾患はこう治す!(後篇)

~体表の陥下・弛緩に起因する運動器系疾患の症例~

つよし.治療院・和ら会 川腰つよし 


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 後篇になる今回は、運動器系の疾患と親和性の高い四型分類の解説をして、陥下・弛緩に起因する代表的な症例について説明します。

四型分類はトリガーポイントの未来型!

 トリガーポイントや筋膜といった治療のファクターはいろんな方が語っておいでですが、四型分類はこれらの考え方を包含しています。しかも四型分類を行うことで治療の優先順位を明確化して、なおかつどのような刺鍼手技、施灸方法をとればよいのかという点までも決定してしまうことができます。

 四型分類に必要な体表観察の手順と形態特性を覚えてデータを集めれば、あとはこれらを四診総合の材料にするだけになります。全身切経を始めたばかりの頃は、時間がかかり実用に供するには面倒という先入観があるかもしれませんが、慣れると10分以内に終わることができます。治療の手順の明確化に貢献する結果を考えると、大した時間のロスではありません。

 もちろん、身体各部位の形態特性は皮毛、肌肉、血脈、筋、骨や結合組織の状態が身体各部で異なるため、判断には熟練を要する部分もあります。

四型分類の部位別特徴と切経探穴に必要な手技

 前篇で解説したとおり、切経探穴による体表観察をもとに形態特性別に分類したものが四型分類です。体表所見の中で四型分類をする意義の最も重要なことは時間軸の把握です。

 診察法の中で、時間軸を把握する方法として従来から用いられてきた唯一の方法は問診ですが、その欠点は患者の主観である上に自己申告であり、思い違いや虚言の類も含まれるという点です。

 一方、治療者による体表観察は客観的所見であり、一定の技能は必要であるものの脈診同様の根拠を担保できる利点があります。

 四型分類により、本標把握の材料が増えるとともに、脈診では捉えきれない時間軸の把握が可能となり、従来の伝統鍼灸に新たな材料を提供することになります。歴史的な意義を敢えていうなら、治療の優先順位を体表観察により明らかにしたという意義があります。

 江戸期には、鍼灸修行において初学者は按摩を行う習わしだったようです。この身体感覚の鍛錬から得られていた秘伝・口伝の類は、現代においても体系化された見解はなく、これを具現化した方法が四型分類なのです。

 ちなみに、和ら会においては私塾である真和塾においては、経絡按摩→切経探穴→臨床直伝という江戸時代の修行方法に準じたカリキュラムによる鍛錬方法を踏襲しています。

1)部位によって体表の状態は違う!
 四型分類という典型的な形態特性については、図1をご覧いただけると、一目瞭然かと思います。
 

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