週刊あはきワールド 2019年9月18日号 No.634

マッスル鍼法実践コラム 第16回

技術上の特徴を知ることで、両手刺手管鍼法を身近に引き寄せる

あんしん堂鍼灸院院長 宮村健二 


◎過去記事≫≫  もっと見る

〔ご案内〕

 奇数月の第3水曜日号で、「マッスル鍼法実践コラム」をお届けしています。

 9月1日に実施された第6回実技セミナーで、両手刺手管鍼法の技術上の特徴を5項目にまとめることが確認されました。この5項目を理解することで、両手刺手管鍼法がぐんと身近なものになると期待されます。

【手の呼び名】

 両手刺手管鍼法は、両手を刺手として用います。そこで、利き手を上刺手、非利き手を下刺手と呼び分けます。押手という用語は用いません。

【はじめに】

 両手刺手管鍼法の技術上の特徴即ちオリジナルは、次の5項目にまとめられます。

1.押手をしないこと。
2.弾入時の単回叩打。
3.鍼管を2度使用すること。
4.序盤刺入時のフリー。
5.鍼尖近位加圧(田植え圧鍼)。

【1.押手をしないこと】

 両手刺手管鍼法における下刺手は、皮膚を押すことはありません。従って、これは押手ではありません。両手刺手管鍼法は、明らかに押手をしないのです。

 押手をしないことで何がどう変わるのか、考えてみます。

1)弾入痛の側方抑制が若干変わる
 弾入叩打時に鍼管下面および押手底面からの圧刺激がAβ線維を介して痛覚の側方抑制を起こすことが生理学で知られています。押手をしない場合、圧刺激の発信源が鍼管下面に限られ、その分弾入痛の側方抑制が若干弱まると予想されます。

 ところで、弾入痛の側方抑制の臨床的意義はどうみるべきか、考えてみます。

 弾入痛は鍼尖と痛点の激突で起こると考えられています。圧刺激による痛覚の側方抑制で鍼尖と痛点の激突の頻度が変わることはありませんので、側方抑制で弾入痛の数が減るとは考えられません。

 側方抑制は、鍼尖が痛点に激突した場合の痛みの強さを和らげるのに貢献するものと考えられます。従って、押手をしないことで側方抑制の効果が若干弱まったとしても、その臨床的マイナスはそれほど大きいとは考えられません。

2)鍼管固定の仕方がはっきり変わる
 従来の管鍼法は、重い金属鍼管を用いていたため、鍼管が柔らかい皮膚の上でぐらつかないように、押手で鍼管下端部をしっかり摘まみ(左右圧)、その押手と鍼管下端部を皮膚にしっかり押しつけていました(上下圧)。その結果、押手で組織にひずみを作らざるを得ませんでした。

 両手刺手管鍼法は、用いるプラスチック製の鍼管が大変軽いため、鍼管を皮膚上に浮かせた状態でしっかり固定することができます。即ち、両手刺手管鍼法は、鍼管固定のために組織にひずみを作ることはないわけです。
 

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる