週刊あはきワールド 2019年9月18日号 No.634

臨床万事塞翁が馬 その16

弦脈が我に与え賜うた脈診力!

大阪漢方鍼医会 森本繁太郎 


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1.食わず嫌いかも脈診?!

 問診に重心を置きながら証を決定されている方の中には、古典鍼治療に携わりながらもこの素晴らしき診察法を結構避けて通っている治療家がいらっしゃるとも聞きます。私の場合、理由はあるんですが念を入れての問診はできるだけ減らすようにしているんです。その代わりに「脈診」に関しては避ける事なく胸を張ってど真ん中を歩もうとしておりますので、本日はこれについて少し書かせていただきましょうぞ。そこのあなた、顔なんかしかめちゃったりして、どうされたんですか? えっ、何々、今日のテーマも面白くなさそうだなー! ですか。まあそう言わずに最後までお読みくださいな、多少はあなたの臨床の足しになる話も出て来るかも知れませんのでね!

 さて、古典鍼治療における「脈診」とは何か?ですが、治療家が患者さんの全身の脈に触れる事によって診察および診断を行い、鍼を1本行うごとに検脈して、治療の終了を決定する事全てだとお考えいただくのがよろしいかと存じます。ただし、ここでは橈骨動脈の拍動部を使った「脈診」を基本に話を進めさせて頂きますが…。

 ええっと、「脈診」でありますが、これには色んな虚実を知る脈差診(比較脈診)、体のおおよその状態を知る祖脈診、全体脈状を知る脈診、脈位つまり五臓六腑それぞれの状態を知る脈診、季節を知る脈診、邪の質や有り所を知る脈診、臓腑どちらを治療するのがよいかを知る脈診、予後を知る脈診、病の伝変を知る脈診、病の浮沈や寒熱や虚実や陰陽を知る脈診、小児のための脈診等々、色んな方法が含まれているとお考え頂ければよろしいかと存じます。

2.脈診の会得は本当に難しいのか?

 その昔、つまり私がこの世界に入りたての頃でありますが、諸先輩などからは「脈診30年」という言葉をよく聞かされたものでありました。脈診も30年ぐらいはやらないと一人前にはならないという意味なんでしょうが、果たして本当にそうなんでしょうかね。
 

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