週刊あはきワールド 2019年10月2日号 No.636

Dr.シノハラの鍼灸徒然草 第30話

痛くて動けません!

~治療後、痛みで動けなくなった症例~

九州看護福祉大学鍼灸スポーツ学科 篠原昭二 


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転倒して全身が痛いのですが!

 82歳、女。転倒による打撲と全身の痛み。認知症、尿失禁、両肩関節、左前胸部、右股関節、腰殿部、両膝関節痛。8月23日初診。

 3日前の早朝、娘さんがうなり声で目が覚めたところ、患者さんがベッドの下でうずくまり動けない状態であった。右前腕部骨折(ギプス固定中)、顔面部打撲(前額部および両眼窩下部に出血斑)、腰椎圧迫骨折(疑い)、左前胸部痛(呼吸をするだけで肋骨部が痛む)、杖歩行をすると右股関節痛、両膝関節痛(左下腿部中央には出血斑)を訴えて娘さんの誘導で鍼灸臨床センターに来院された。

 歩行もままならず、杖歩行をするも、今にも転倒しそうになり、介助しつつ、ベッド脇の椅子まで誘導するも、歩くだけで「痛い、痛い!」を連発する。

 鼡径部痛および頑固な腰痛、息をするだけでも痛む左前胸部痛から、大腿部および腰椎の骨折および肋骨の不全骨折が強く疑われることから、鍼灸治療の適応ではない可能性が高いことを説明するも、娘さん(60歳)から、病院の診察を受けているが、何も治療をしてくれなくて家でのケアもできない状態なので、何とかしてほしいと懇願されたことから、鍼灸治療を予後判断的(適応かどうかを判断することを目的として)に実施することとなった。

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