週刊あはきワールド 2019年10月16日号 No.638

全力で治す東西両医療 第42回

ともともクリニック全力カンファレンス中継(29)

~蠡溝と中都の効能を求めて、あれから10年①~

 (1)荒川和子(2)木村朗子(3)石川家明 


◎第41回 日常臨床について気楽に質問のできる文化を
       ~蜂窩織炎の臨床推論~
       (萱間洋平・五十嵐惣一・石川家明・木村朗子)
◎第40回 薬大生が感冒の臨床推論に挑戦
       ~「臨床推論」が入っている医療面接をしよう~
       (木村朗子・石川家明)
◎第39回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(28)
       ~膝裏の痛みの臨床推論・医大生に答える②~
       (石川家明・園田幸恵)
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(1)荒川和子:ともともクリニック
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表

 連載第25回『そもそもの経穴効能を考える』で木村先生から横槍が入りました。「あのう、横から失礼します。お二人のお話とっても面白いのですが、鍼灸勉強初心者として質問です。肝経といえどもたくさん経穴がある中で、どの経穴の圧痛を見に行くのか、どの経穴を治療に使うのか、どうやって決めているんだろうといつも疑問なんです。」と。その質問に答えているうちに、いつの間にか質問は忘れ去られて、いや、日々の全力カンファレンスに導かれて、はるか遠くへ来てしまいました。それではまた、戻りましょう。

■まず経絡ありき、経絡の流注ありき

荒川えっ、戻るのですか? 勝手に、戻れるのですか?

石川ドラえもんのどこでもドアです。

木村あれはいつの頃だったかのう? むかし、むか~しの話じゃった。

荒川そもそも第21回の「曲泉、陰谷の反応で何がわかる」がきっかけだったと思います。

石川ああ。そうでしたね。西洋医学的には鵞足部炎でも圧痛や反応が出るし、東洋医学的には下焦の湿熱証でも圧痛や反応が出るところであると。

荒川下焦の湿熱証を疑うのは、まずは肝経絡が生殖器や泌尿器に流注しているからでした。

石川経絡が存在しているかどうかはさておいて、経脈の及ぶところは主治が及ぶと基本的には考えているということから議論していったかと思います。

木村そうでした。数学でも、天文学でも、世に実存しない補助線や子午線などを引かないと解が求められずに、さらに学問は発展しなかったという話をしました。

石川荒川さんの症例でしたっけ、イレウスを疑う腸蠕動音のない患者さんがいて、足三里に刺したら、すぐに腸が動いて聴診器もいらない大きな音が聴こえたというのは。

木村腸蠕動音減少の患者さんだったのですね。便秘でなくても、足三里を打つと、外部に聞こえるぐらい腸が急に動き出しますね。足三里と胃腸とは西洋医学的には直接繋がる解剖組織はないけれど、機能的には繋がっているんだと思われる瞬間ですね。

石川そうそう、それで、合谷や二間や三間穴の多壮灸が面疔に速効する話も出たんだ。西洋医学で簡単でメスを入れてもらえば治るにしても、灸の不思議と経絡が病巣に流れていると考えるおもしろさがある。

荒川三里や、二間または合谷の効用は、経脈の及ぶところは主治が及ぶところと考えてよろしいかと思います。

木村臨床が豊かになり、何よりも実用的ならば、経絡の概念は臨床に必要だと言えるでしょう。

石川それよりも、古代に思いを馳せて、古代人と一緒に患者を診ているイメージも良いものですよ。

木村あっ、石川先生のうしろに白装束の人が立っている!

石川先生、見えてますか? 実は、僕の守護霊です。白装束ではなくて白衣です。トイレットペーパーを△に折る癖があって、それでおでこの汗を拭いたままにしています(笑)

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