週刊あはきワールド 2019年10月23・30日合併号 No.639

学会レポート(2)

第9回日本中医学会学術総会レポート

~現代医学やAIを取り入れる気運の高まりを感じる学術総会~

ともともクリニック 平岡遼 


 
 10月5日、6日に第9回となる日本中医学会の学術総会が東京のタワーホール船堀で行われました。今回は台湾や中国からの参加者も多くいらっしゃる国際色豊かな中、「次世代につなぐ中医学」をテーマに2日間に渡り熱気に溢れた演題が行われました。

■弁証と臨床推論が統合されたワークショップ

 本大会の開会は12:30でしたが、開会に先駆けて午前中に初学者向けのワークショップが開かれました。TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)の石川家明先生による「みんなで弁証推論」と名付けられたワークショップは、古典から最先端のAIにまで話が及ぶ、中医学と西洋医学を俯瞰した壮大な内容でした。












 初学者が西洋医学や東洋医学をどう学ぶのかという切り口から、西洋医学の世界で現在急速に広がっている臨床推論という教育の方法を紹介されました。実際の症例を題材に臨床推論の技法で徐々に患者の病態がはっきりしていくのを感じました。関節疾患は触診ができないと鑑別診断ができないため、臨床で頻度の高い膝と手指の関節の触診を参加者同士で行いました。続いて話は東洋医学にうつり、OPQRSTやSQなどの臨床推論の技法が実は中医学でははるか昔から行われていたという話から、先ほどの症例でそれらを使うことで「寒湿痹証」という中医学の診断まで導きました。またその診断までの流れから臨床推論と弁証の相似性について説明されていました。話は広がり、随証療法を最初に提案した曲直瀨道三の『弁証配剤医灯』に書かれている頭痛の分類を紹介して、現代中医学の頭痛分類とほぼ同じであることを示されました。さらに曲直瀨道三の記載が陰陽の分岐で症候論を展開しているのはAIのアルゴリズムである「決定木」を使っているとの指摘は眼から鱗でした。

■すでに中国で臨床活用されているAIを用いた東洋医学診断!

 お昼にはランチョンセミナーに上海の大学で中医師免許を取得し現在も上海藤和クリニックで中医師として活躍されている藤田康介先生から、中医大学での勉強や中国における中国医学への取り組みの紹介がされました。
 

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