週刊あはきワールド 2019年12月18日号 No.646

全力で治す東西両医療 第44回

ともともクリニック全力カンファレンス中継(31)

~蠡溝と中都の効能を求めて、あれから10年③~

 (1)荒川和子(2)木村朗子(3)石川家明 


◎第43回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(30)
       ~蠡溝と中都の効能を求めて、あれから10年②~
       (荒川和子・木村朗子・石川家明)
◎第42回 ともともクリニック全力カンファレンス中継(29)
       ~蠡溝と中都の効能を求めて、あれから10年①~
       (荒川和子・木村朗子・石川家明)
◎第41回 日常臨床について気楽に質問のできる文化を
       ~蜂窩織炎の臨床推論~
       (萱間洋平・五十嵐惣一・石川家明・木村朗子)
◎過去記事≫≫  もっと見る
 
(1)荒川和子:ともともクリニック
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表

 「蠡溝と中都の違いは何か」と聞かれてその時から10年間、蠡溝と中都の違いを臨床的に追いかけてきました。印象に残った症例をあげてみましょう。

■まずは蠡溝と中都の経穴情報を

荒川蠡溝と中都の検出は冷感と熱感もみますがほとんど圧痛が多く、脛骨の内面の骨上なのですが、軽い凹みがあるのが普通です。

石川お灸せよとの目安はより一層凹みがあり、かつ張力のない虚証感なのですが、蠡溝と中都は時折それがみられます。

荒川反対に普段の凹みがない時は、実証も視点に考えています。

石川そうですね。まずは、蠡溝と中都の穴性情報をお願いします。

<蠡溝の穴性情報>
荒川蠡溝は内踝から5寸の所にあり、絡穴です。絡脈の別枝が直接に生殖器に連なります。

 蠡溝の経穴効用をまとめると、①疏肝理気、②調月経、③清熱利湿、④養血です。と前号で並べたのですが、木村先生からそれは肝経絡の生理作用ではないかとご指摘がありました。肝経の経脈、経別、絡脈、経筋などのあらゆる流注は生殖器に注ぐので、理論上は肝経の経穴はすべて生殖器系統の症状に何らかの効果が期待されます。しかし、蠡溝は直接生殖器につらなっていますので生殖器系統や泌尿器系統の疾患、特に下焦の湿熱のスペシャリストと捉えています。また下腹部の疝痛は湿熱下注ばかりではなく、寒滞肝脈が原因でも起こります。蠡溝には疏肝理気のみならず温肝散寒作用があると類推できます。実際に、幾つかの症例も経験していますが、実は中都にも同様の効用があると思われます。

<中都の穴性情報>
荒川次に、中都ですが、内踝から7寸の所にある郄穴です。陰経の郄穴共通の効果として、「陰血の危急を治す」があります。効用を整理すると①疏肝理気、②調月経、③清熱利湿、④化瘀解毒、⑤固衛止崩、⑥補肝益腎です。やはり、蠡溝と同様に、中都も生殖器系統や泌尿器系統の疾患にも効用があると思われます。

■経穴触診の順序

木村そうすると蠡溝と中都は似ている効用もだいぶあるし、異なるところもあるのでやはり触診情報も大きく選穴に影響するわけですね。
 

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる