週刊あはきワールド 2020年2月5日号 No.652

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.70-1

排尿障害の鍼灸治療(1)

~特に頻尿、夜間頻尿~

洞峰パーク鍼灸院 形井秀一 


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Ⅰ.はじめに

 「排尿」を体内循環で考えると、水分を摂取し、体内で利用し、排出するという流れの最終の段階である。

 水分を外に排泄する「排尿」は、膀胱に尿が溜まる「蓄尿」がまず前提にある。そのため、排尿は、蓄尿とセットで考えなければならない。もちろん、「蓄尿」は、腎臓での「尿の生成」とそれを運ぶ尿管の働きがあって初めて実現することであり、さらに言うならば、水分摂取である「飲食」と、それを「消化吸収」する過程がなければならない。「排尿」は、生きていく上で必要な身体の働きのうち、水分の摂取から排泄に至る、身体の水分循環の最後を担う大事な役割である。

 さて、蓄尿と排尿の機能の大部分は、人間の意識に影響されずに自律している働きである。貯めて出す排泄機能は、生まれたときから人間に備わっている生理的機能で、その中枢は脳幹部の「橋」である。しかし、大脳が発達するに従って、橋の機能をコントロールしようとする働きが育つ。それが、排尿をコントロールするようになる「大脳の排尿抑制機能」である。私たち「大人」は、「乳幼児」と違って、排尿したい感覚が起こっても、トイレに行けない状況であれば、我慢しようとするし、実際にそれができる。この我慢を橋に強いているのが大脳の排尿抑制中枢である。

 このように大脳と橋の2つの中枢が、排泄機能にかかわっており、このことが、排尿の問題を複雑にする要因の一つである。

 本稿では、排泄機能が障害を発症した排尿障害について、述べる。

Ⅱ.排尿のメカニズム

 膀胱に尿が溜まる時には、①膀胱平滑筋(排尿筋)の弛緩と、②尿道内括約筋および尿道の周りを取り囲む外尿道括約筋(横紋括約筋)の収縮が、同時に必要である。つまり、尿を貯める膀胱の容量を大きくするために、膀胱平滑筋を緩めて尿が溜まりやすくし、同時に、出口である尿道を閉じる必要がある。膀胱平滑筋と尿道内括約筋は自律神経支配であり、外尿道括約筋は随意神経支配である。一定量の尿が貯まるまでは自律神経が主に働く。もし、一定量を超えて蓄尿を続けようとする場合は、自律神経中枢(橋)の働きを抑制し、外尿道括約筋を意識的(随意的)に収縮させることで、蓄尿を続けることができる。
 

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