週刊あはきワールド 2020年2月12日号 No.653

新米鍼灸師の研修奮闘物語 File.34

Resident.SeのBSL(Bed Side Learning) Diary(34)

~予想が外れても落ち着いて思考ができるのが臨床推論~

鍼灸レジデント3年目 平岡遼 


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 なにかの疾患や症候を勉強しているときに、それを主訴とする患者さんがやってくるという偶然は日頃経験されることだと思います。最近私は肩痛の医療面接の練習をしていたのですが、その矢先に急性の右肩の痛みを訴える77歳の男性Sさんが新患でいらっしゃいました。

■よくある肩痛かと思ったら…

 今回は事前にSさんから連絡があり、「急性の片側の肩痛」という問題表象があらかじめわかっていたので、患者さんが来る前に頭を整理して準備しておくことができました。この問題表象から想起した疾患としては、五十肩、インピンジメント症候群、腱板断裂、上腕二頭筋長頭腱炎などの筋骨格系の頻度の高いもの、石灰沈着性腱板炎や偽痛風などの結晶性疾患や、感染性や膠原病などの疾患も頭の片隅に置いておきました。しかし医療面接を始めて数分のうちに、これらの鑑別疾患が外れている可能性が高いことがわかったのでした…。

平岡こんにちは、どうされました?
Sさん右肩が5日前くらいから痛いんです。
平岡右肩が痛いんですね。痛む前になにかなさいましたか?
Sさんうーん、特にいつもと違うことはしていないです。だんだんと痛みを感じるようになりました。
平岡どのあたりが痛いですか?
Sさん右肩の後ろのあたりが痛いです(肩貞あたりを指し示しながら)。ジンジンと痛くて、昨日は初めて夜に何回か起きてしまいました。
平岡夜に痛みで起きてしまったんですね。
Sさんそうなんです。
平岡そのときの姿勢はどうでしたか?
Sさん痛む方の肩を上にして横向きでした。
平岡肩を上げることはできますか? 動きを見せてください。
Sさん動かすのは全然問題ないんですよ。動かしても痛くありません。

 Sさんに上半身裸になってもらい、自動で右手を挙げてもらうと可動域は屈曲・外転ともほぼ180°で動作時痛もまったくありませんでした。左右差もありません。この時点で関節疾患や腱板損傷、腱炎などの私が予め考えていた鑑別疾患はどれも外れているがわかりました。

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