週刊あはきワールド 2020年3月18日号 No.658

緊急アピール3

医療者自身がまず新型コロナウイルス感染症をしっかり理解すること

~患者さんとリスクコミュニケーションをとろう③~

 (1)石川家明(2)木村朗子 


 
(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長

■はじめに

 1カ月前の2月18日の時点で、新型コロナウイルス感染症についての『緊急アピール1』をあはきワールドにて発表した。来院する患者とリスクを共有する合理的なリスクコミュニケーションを図ることを目標に記した。さらには鍼灸師や薬剤師や在宅福祉関係者やクリニックの医師が新型コロナウイルス感染症の予防対策としてすぐにできることを簡潔にまとめてみた。続いて、武漢での7万2千余人の患者を解析した論文の説明を急遽『緊急アピール2』で掲載した。

 しかし、その後鍼灸師からの直接の質問や、医療者自身の出す情報や政治家のコメントなどから推し量ると、この感染症に対しての基本的な理解の周知には至っていないと思われる。ましておや、一般の患者さんにとっては理解が難しく不安だらけとなるのであろう。

 すでに、一息ついた感がある(?)PCR検査論議については私たちのFacebookに見解を述べているので、そちらを参考にしていたければと思う。

 感染ルートを知ることが、普段私たちが行う予防対策の一歩となるので、今回はその解説と、それに関連した実際の患者さんからの質問例を提示する。

■マスクはどうして必要か、医療者はこの基本をおさえよう

 このウイルスの感染経路は、飛沫感染と接触感染が基本である。まず、医療者はこの基本をおさえておく必要がある。

 まず、飛沫感染の説明をする。

 飛沫感染はしぶきの感染であり、感染者のくしゃみ、咳からのしぶき(飛沫)を吸うことにより感染にいたる。この時、感染者がマスクをすると飛沫はマスクを通らないので相手に移さない。少し詳しい人ならばウイルスはマスクの繊維よりも小さいので通してしまうのではないかと疑問を持つことだろう。感染者から発せられたウイルスは飛沫に包まれて存在しているので、マスクの繊維の目に引っかかるのである。

 飛沫は空間を一定期間、自由に飛び回り、浮遊し、最後は落下していくが、空気が再び流れると飛び散ったりする。どこに落下するか? 地べた、床ばかりではなく、机においたコップのなかやサンドウィッチの上にも落ちるであろう。それらをさらにウイルスがついた手で口に持って飲食することになる。(接触感染)

 飛沫の水が乾燥してウイルスだけになれば、ウイルスはマスクの線維の目よりはるかに小さいのでマスクを素通りし容易に感染してしまう。WHOやアメリカCDCの発表通り、マスクは自分の感染を広げないために着用すべきであるが、一般的にはウイルス感染症の予防の役割は期待できないわけである。

 ただ、マスクは近距離(1~2メートル)でのくしゃみや咳による飛沫感染を防御できるので、その意味では予防効果があると思われる。しかし、マスク表面の飛沫が乾燥したりすると吸い込むことになる。またマスク表面を手で触ると接触感染の危険性が増してくる。

■ウイルスは風門・肺兪からではなく、労宮から浸入?

 もっと厄介なのは接触感染である。
 

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