週刊あはきワールド 2020年3月25日号 No.659

治療家のための薬の基礎知識 第39回

新型コロナウイルス感染症と漢方処方

千葉大学医学院和漢診療学非常勤講師 和光治療院・漢方薬局 平地治美 


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新型コロナウイルスの猛威に際し、漢方のバイブル『傷寒論』に学ぶ

 世間を騒がせている新型コロナウイルスの感染拡大がとどまる気配がありません。数年に一度は何らかの感染症がマスコミを賑わせてきましたが、今回はその中でも別格な印象です。歴史はこのようなパンデミックを繰り返していますが、その経験に学ぶべきではないでしょうか。

 “漢方のバイブル”と称される『傷寒論』の序文には次のような意味の記載があります。

 「私の一族はもともと200人以上だったのだが、3分の2が死んでしまった。そのうち7割は傷寒によるものである」

 これは当に、パンデミックです。著者の張仲景は、一族の多くを亡くしましたが、その経験を後世に役立てるために発奮して『傷寒論』を記しました。

 「傷寒」とは腸チフスのような、急性伝染病全般を指していると言われますが、風邪やインフルエンザ、コロナウイルスの一部なども含まれます。後漢の時代は検査キットなどありませんから、何のウイルスかは不明のまま治療しなければなりません。『傷寒論』では刻々と移り変わる症状を大きく6つのステージに分類し、治療原則、処方が記載されており、鍼灸の記載も随所に見られます。
 

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