週刊あはきワールド 2020年4月1日号 No.660

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.72-1

坐骨神経痛はこう治す!(1)

~坐骨神経痛に対する私の鍼灸治療法~

関西医療大学保健医療学部はり灸・スポーツトレーナー学科 池藤仁美 


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鍼灸師の資格取得後に
筑波大学理療科教員養成施設で臨床のノウハウを学ぶ

 私は、関西鍼灸短期大学(現関西医療大学)を卒業し、はり師・きゅう師の資格を取った直後、ペーパードライバーと同じで、「免許は持ったがどのように施術するべきか」に悩みました。鍼灸師には、免許を取った後の研修制度がまだまだ少ないからです。そこで、私は、筑波大学理療科教員養成施設の「卒後臨床研修生」として、臨床のノウハウを学びました。

 ここで、最初に診させていただいた患者さんに「今日から担当される『池藤先生』です」と紹介され、「免許を持ったら、『先生』なんだ!」と、改めて自覚したことを今でも覚えております。

 また、同時期に診た別の患者さんの施術の際、なかなか目的の場所にうまく鍼が入らず、不安や焦りが募ったとき、それが患者さんに伝搬してしまい、「やめてくれ!」と叫ばれたことがありました。患者さんとは、病気を持って不安な気持ちでいっぱいです。その不安と施術者の不安や焦りが相まっての発言だったと思います。

 施術者は、もちろん慢心で施術してはいけませんが、鍼灸でできること、できないことをきちんと把握し、誠意を持って施術にあたるということは、とても重要だと実感しました。そのような経験があり、現在では、鍼灸では難しい難病の患者さんも、症状についての説明と鍼灸でできることをきちんと分けて説明し、理解していただいた上で、症状の改善の一助として、鍼灸を受診してくださることがあります。

関西鍼灸短期大学(現関西医療大学)で「経穴学」を研鑽

 その後、関西鍼灸短期大学(現関西医療大学)で教鞭をとることとなり、「経穴学」の授業を担当することとなりました。授業では、経穴の所属経絡、部位はもちろんのこと、経絡や体内流注も勉強します。学生の頃は、試験に出ないため、覚えない・勉強しないことが多いですが、教える立場となると、本学には、古典に詳しい先生方が多いことから、経穴の意味、効能、その根拠、経絡だけでなく、経筋、孫絡なども詳しく学べました。その知識は、臨床の現場でもとても役に立ちます。また、響きなどの施術方法も、実際に実践で学べます。体験をしなくては、どこにどのように響いているか、患者さんに問うこともできません。それらを実際に体験できました。

坐骨神経痛に用いる「懸鍾」とは

 その一例が、今回紹介する「坐骨神経痛」の時に用いる「懸鍾」です。「懸鍾」は、足少陽胆経の経穴で、要穴としては、「八会穴の髄会」とされています。古典的には、「絶骨」という別名があり、その名前の由来は、長・短腓骨筋などの筋腹が膨らむことにより腓骨が触れなくなるところに取るとされています。「懸鍾」という経穴名については、諸説あるのかもしれませんが、部位的に、「鐘・鍾」=踵骨の形を引っかけているところ、「お寺の鐘」を連想して考えられています。流注から考えると、足の少陽胆経なので、外果や足の方に響きが出ることが多い経穴です。
 

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