週刊あはきワールド 2020年4月22・29日合併号 No.663

【新連載】あはきメンタル~臨床心理学入門編~ 第1回

臨床心理学と鍼灸の接点(1)

目白大学大学院心理学研究科教授 奈良雅之 


 先行きの見えない昨今の状況下で、健康不安を抱えた人が増えています。私たち鍼灸師は不安を抱えた患者さんにどのように接したらよいでしょうか。患者さんの心を援助することを目的とした学問に臨床心理学があります。

 臨床心理学は、東日本大震災(2011年)においても、災害発生直後から今日に至るまで、被災した方々の心理支援に大きく貢献しています。

 臨床心理学は、「個人または集団に生じた悩みと困難といった問題行動を心理学や関連諸科学の知識と技術によって健康な方向へと援助する専門的な学」(福屋;2002)などと定義されていますが、一般的には、心理学が、「人の心を解き明かす」ことを目的として様々な心理学的方法を用いる領域であるのに対して、臨床心理学は、「人の心を援助する」ことを目的として様々な心理学的方法を用いる領域と理解することができます。ここで言う「心理学的方法」は、心理学では科学的であることが大前提であるのに対して、臨床心理学では、科学的であることは必要条件にはならない、というのが大きな違いです。

 また、臨床心理学は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などリハビリテーション医療に携わる専門職における必修要件となっていることから、多職種連携が求められる今日の鍼灸師においても学んでおきたい領域であるといえます。

 本連載では、一般的な臨床心理学のテキストで扱われている心理アセスメントや心理療法、心理支援について取り上げ、その知識や技法について解説していきます。『あはき心理学入門』(丹澤章八監修、あはき心理学研究会編著)は、本編の理解を促す参考書として有効ですのでご一読ください。

 まずは、2回にわたって臨床心理学と鍼灸の接点を探ってみたいと思います。

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