週刊あはきワールド 2020年5月6日号 No.664

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.73-1

自分のカラダはこう治す!(1)

~私の治療方法~

養命鍼灸治療院院長 関功芳 


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はじめに

 「あはきワールド」の石井さんから「◎◎はこう治す!」の執筆依頼をいただきました。鍼灸界における錚々たる執筆陣による人気シリーズゆえ、「何故、私に…?」と不思議で仕方ありませんでした。

 このような時、師匠の言葉を思い出します。『まぁ、関さんに頼むくらいだから、よほど相手は困っているのだろう。困った人は助けてあげなさい』…と。その言葉を思い出し、引き受けさせていただきましたが、はて困りました。これといった知識や技術を持ち合わせているわけでなく、すべて師匠をはじめとした諸先生方の受け売りオンリー。オリジナリティ皆無。貴重なスペースを駄文で汚すのは心苦しい限り。

 ただ、ちょうど新卒の鍼灸師や学生さんが煌めいている時期でもありますので、今回はわかばマーク鍼灸師や学生といった初学者を対象に、自身の学生時代や駆け出しの頃を回想しながら、書かせていただきます。ベテランの先生方には申し訳なく思いますが、あらかじめご了承ください。何かしら感じていただけるところがあれば幸甚です。

私の鍼灸専門学校時代

 東京での鍼灸学生時代。東洋医学の授業では多くの先生方に指導していただきました。と同時に、鍼灸治療には様々なスタイルがあるということを入学後に初めて知りました。兵頭明先生から東洋医学(中医学)の基礎を教わり、小川卓良先生には日本伝統鍼灸のみならず東西両医学のバランス感覚に溢れた治療方法を指導していただきました。その中でも特に『開業したてで知識も技術もない時期はとにかく傾聴を心掛けなさい。しっかりと話を聞くことは初心者でもできることだから』という言葉は、今でも強く印象に残っています。

 授業によっては医師が講師を務めるケースがありました。ある医師が『君らは(鍼灸師)は、僕らと違って、命に関わるような患者さんを診ることがないから気楽で良いよなぁ』というニュアンスのことを仰いました。当時は、あぁ確かにそうかもしれないなぁ…と思いました。ところが、いざ臨床をしていると決してそんなことはないわけで、もちろんドクターほどではないにせよ、末期的な病によって、余命幾ばくも…という患者さんを目の当たりにすることもあります。逆に、妊産婦の治療では新しい命の誕生に携わることも…。

 鍼灸師でも、ひとりの人生、命を大きく左右するような場面に直面するケースがあるということ。皆さん方にはぜひとも早い段階から、医療の一端を担う者としての覚悟、心づもりを持っていただきたいと思います(ちなみに暢気だった私は、その覚悟が希薄でした。猛省)。

師匠について~私の治療方法

 鍼灸学校卒業後、地元の福岡県へ。学生時代から憧れていた首藤傳明先生(元日本伝統鍼灸学会会長)が主宰されていた私塾「弦躋塾(げんさいじゅく)」に入塾&師事。よって、私の鍼灸治療方法…そのベースとなるのは【首藤スタイル】であり【首藤イズム】です(【首藤スタイル】という呼び名は欧米で広く使われています)。首藤先生の治療法に関して、私がアレコレ述べるのは憚れますので、ほんの少しだけ触れることにします。

 首藤先生は経絡治療を主体としながら、深谷灸法、ノジェの耳鍼法を適宜組み込み、今現在(88歳)も臨床に励んでおられます。

 また、治療方法もさることながら、鍼灸師の心構えとして、多くのことを提言されています。代表的なものを挙げさせていただくと……
 

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