週刊あはきワールド 2020年5月13日号 No.665

臨床に役立つツボの話 第21話

筋・筋膜性腰痛には木下晴都先生直伝の特効穴「志室(下志室)」への交叉刺が効く

南風堂鍼灸治療室 元吉正幸 


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筋・筋膜性腰痛とは

 筋・筋膜性腰痛は鍼灸療法が第1選択されてよい疾患である。筆者の恩師の1人に木下晴都先生がおり、1989年ごろから、鍼灸の手ほどきを受けた。腰痛、坐骨神経痛については、木下先生が構築した方法で30年以上鍼灸臨床を行ってきた。これまでの臨床経験から的確に筋・筋膜性腰痛の推定ができれば劇的といえる効果が得られる。

 筆者は鍼灸師になる前、7年ほど柔道整復師として働いていたが、鍼治療ができてよかったと思うことは、それまで苦心していたものが、初回の少数穴での鍼治療だけで、患者さんもその著効に驚き、喜んでくれることである。これこそ、鍼療法の醍醐味であると感じている。

 筆者は同時期に東京都鍼灸師会症例検討会に参加し、ほどなく症例発表者として参画が許された。症例発表をすると、相撲でいう、いわゆる、あたり稽古とかわいがりをしていただき、鍛えられた。症例検討会では各疾患の類症疾患(腰痛ならば腰痛を起こしうるすべての疾患)と周辺疾患(筋・筋膜性腰痛ならば、それに類似する疾患)の除外を行い、筋・筋膜性腰痛と推定しても、その推定の鍵となる圧痛点がないのはどうしてかなど、発表者としては言葉に詰まる質問をいただき、その後なぜだろうと考えさせられた。

 その当時の筆者は、腰痛に関してはかなりの症例数と効果の手ごたえがあった。その時の筆者の筋・筋膜性腰痛とは、筋と筋膜に関する疼痛と機能障害と考え、しっかり鑑別した上での筋・筋膜性腰痛の推定をしていたが、諸先輩は、志室や下志室に著明な圧痛がなければ、筋・筋膜性腰痛ではないというのである。木下先生からは、腰痛の場合、志室よりも少し下方に圧痛点があるという話は聞いており、参考にはしていたが、なぜ諸先輩はその場所の圧痛点にこだわったのか調べてみたところ、その理由は木下先生の本に理由が書かれていた。

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