週刊あはきワールド 2020年6月3日号 No.668

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.74-1

『難経』の病態治療から症状を治す(1)

~私の鍼灸治療法の概要~

大阪漢方鍼医会 本田滋一 


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はじめに

 現在の私の治療では症状だけを目標にしてはいません。したがって、症状の鍼灸治療の紹介ができません。その代わりに症状を良くするために日頃から行っている『難経』の病態治療を紹介したいと思います。

Ⅰ.病態治療とは

 私の治療とは症状を治すために異常な状態である病態を捉え改善させることです。つまり、病態が改善すれば、体の病的な状態が改善し症状が治っていくという流れです。

Ⅱ.症状だけを目標にしなくなった理由

1.ひよっこ鍼灸師時代
 その当時、その場で症状が改善できなければ、鍼灸治療に意味がないと思っていましたので、いろいろな治療を行っていました。

 今、思い返せば、治療したその場で患者さんからの喜びを聞きたかったのでしょう。

2.悩み多き鍼灸師
 これまでにはいろいろな治療法を身につけて、症状が治せることも体験してきましたが、治療家としての最終的な悩みは、症状の再発や多くの症状を訴えられて困ることなどです。

 これらに対応できることは患者さんにとっては良いことだと思います。ただ、私には治せた実感がほとんどなくて、これを一生続けていくことへの不安のようなものがありました。

3.突破口の模索
 私にとって治せた実感を得られるとは、患者さんが「良くなった!」と言ってくれることではなくて、私が患者さんを治療して「良くなる! 良くなってきた!」と感じられることです。

 私が患者さんを触って良し悪しの判断ができることは、患者さんの体が出している異常な状態を捉えること以外ありません。紆余曲折はありましたが、病態治療が私のやりたい治療であることがわかりました。

Ⅲ.気持ちの切り替え

1.徐々に治す心構え
 たとえ、症状が残っていても病態の改善が見られれば、「今日の治療はこれで終わります。徐々に良くなっていきますので、様子を見ておいてください!」と、患者さんには告げます。

2.病態治療に誇りを
 患者さんは「この先生、大丈夫かな?」と思うかもしれませんが、病態治療で体を治している、治している状態がわかるという誇りを持って臨床に望むようにしています。

3.病症が治ればよい
 「症状も病態もどちらも診ればいいじゃないですか?」と言われそうな気がしますが、病症が治れば、病態が治っていくこともあると思っています。

 ただ、自分が気に入ったことを伸ばそうと思い病態治療に変更したということです。

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