週刊あはきワールド 2020年6月10日号 No.669

緊急アピール15

“フェイクと分断の時代”について考えた

~前号「緊急アピール14」の図1を撤回します~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


◎緊急アピール12 COVID-19の相談症例を紐解く①
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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 NEJMとThe Lancetのトップ2誌に載った論文が、元となったデータベースのねつ造疑惑で撤回された。この論文の影響で、WHO主導のもと世界中で行われていた薬物の研究が一時的にせよ停止した。また、厚生労働省の「COVID-19診療の手引き(第2版)」にも重症化のリスク因子に関しての報告が本論文から引用されている。私たちの「緊急アピール14」の図1はこの論文の報告をまとめたものであるので撤回をさせていただく。

 識者によると、世界の学術界における戦後最大の事件として記憶されることになるかもしれないという。今回、急遽私たちは“フェイクと分断”のこの時代の医学情報発信について討議をした。

世界的なパンデミックの中での異常事態

■私たちは、前号の図1を撤回します

 前回のあはきワールドに掲載された6月3日の夜に、世界の医療者を驚かすニュースが飛び込んできた。「緊急アピール14」の図1として掲載したCOVID-19のリスク因子とオッズ比を示した図だが、その参照元であるNew England Journal of Medicine誌(以下NEJM)の論文1)に対して、データソースの信頼性に対して懸念の表明が出されたのである2)。よって、私たちも、本論文のデータから引用して図1を作成したものを撤回する。

 また、同じデータベースを用いて研究報告されたThe Lancet誌(以下LANCET)に掲載された論文3)にも懸念表明が同じ時期に出された4)。その後、6月5日には2つの論文ともに撤回となったのであった。

 NEJMとLANCETといえば世界中に数ある臨床医学雑誌の中でも最も引用数が多い雑誌の1位と2位として権威ある雑誌である。その査読を重ねて通過して発表された論文が、撤回されるとは考えられないことである。
 

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