週刊あはきワールド 2020年6月10日号 No.669

臨床に役立つツボの話 第22話

古典をヒントにツボの反応を臨床に生かす

滋賀漢方鍼医会 岸田美由紀 


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●はじめに

 こちらのヒューマンワールドさんから出版させていただいた『刺さないハリ ていしん入門』の中で、治療に使う手法として衛気の手法と営気の手法を紹介しています。衛気の手法は、鍼を斜めに倒して気を補う手法です。陽気を補うので補法として扱っています。営気の手法は、鍼を立て気を補う手法です。陰気を補うので瀉法として扱っています。この2つの手法を使って治療をしてきました。この本を書いたときから、しばらくは治療に何も問題を感じずにいました。

 あるときから、営気の手法をすると抵抗を感じることに気がつき、治療をした後の患者さんの身体にも違和感を覚えるようになりました。

 違和感を覚えつつも臨床に当たっていたとき、大阪漢方鍼医会が提案した気を抜く瀉法を知りました。もちろん瀉法で気を抜く手法があるのは知っていましたが、始めに述べた補瀉の考え方から、どうしても気を抜くことに戸惑いを感じていました。しかし、この提案を知り、気は抜いてもいいんだと考えが変わり、手法の使い分けを考えていく中で、ツボの状態を探っていきました。

●現在のツボのとらえ方と治療

 ツボの虚実を判断するとき、触れてすぐわかる場合とわからない場合があります。触れてすぐわかる場合は、皮毛に反応がある衛気の虚実です。わからない場合は、血脈に反応がある営気の虚実です。営気の場合、血脈の深さまで指を押さえると反応がわかります。反応の深さは衛気と営気で変わりますが、指に感じる感覚は同じです。虚の場合、ツボは冷えて軟弱あるいは充実しておらず、自分の指から気が吸われる感じがします。実の場合、ツボは硬く膨らみがあり、気が停滞しチリチリと指に引っかかるような感じがします。
 

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