週刊あはきワールド 2020年7月1日号 No.672

緊急アピール18

COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ その2

~カゼか、COVID-19かの鑑別を中心に~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 前回はカゼの疾患概念の説明や、カゼとカゼ以外の感染症についての鑑別を記しました。掲載した【症例3;65歳男性のメール相談】に関して、若手鍼灸師さんや鍼灸学生さんから感想やご質問をいただきました。少し説明不足があったようで、解説を加えて書き直しました。またある学生さんからは、患者とのメールやり取りの実際を見て、将来の自分の職業人としての理想とする姿を重ねることができるとの感想をいただきました。Webの向こうで、ちゃんと読んでいただいていることに、心強く感じました。

 ご意見や質問をいただけることは、私たち筆者らの冥利に尽きるばかりではなく、真摯に医療を学ぶ知己を得た感がして、医療者として大変励まされます。感謝申し上げます。

■【症例3】65歳男性、会社役員のメール相談

 前号の症例であるが、メールのやり取りだけを再掲して、臨床における「キモ」(=肝、かなめの意)を学生読者の要望に応えて、緑字で「です・ます」調で書き加える。

おはようございます。いつもお世話になっているSです。昨夜から腰が痛くなり、熱を測ったら36.7℃でした。平熱は35℃ですので、私にしては熱があります。腰を治療してほしいのですが、お邪魔してよろしいでしょうか?

おはようございます。体温をもう一度測ってください。カゼを引いている感じや、何か他の症状がありますか? 腰痛はどの程度でしょうか?
(“かぜを…”と閉ざされた質問から他の上気道症状あるかどうかを確かめている。同時に“何かほかの…”と開かれた質問している。)
(この時期、カゼや発熱、に皆さん敏感になっています。来院前に連絡をいただけたのはよかったですね。さて、上気道症状があるかどうか、確かめるために患者さんにわかりやすい言葉で質問しています。)

36.5℃でした。ちょっとだるい感じです。昨夜から痛むし、今も痛みます。できたら治療をお願いします。
(質問に答えていない。よくあるパターン。)
(うーん、上気道症状があるかどうかわかりませんでした…。痛むのはたぶん、腰なのでしょうか。)

のどの痛みや鼻水は出ていませんか?
(カゼであるならば上気道症状の有無は必須症状である。再度確認)
(上気道症状、いわゆる咽頭痛、鼻水、咳嗽と定義してよいかと思います。先ほど返答がなかったので再度具体的にclosed questionしています。)

のどの痛みや鼻水はありません。

昨夜はぐっすり眠れましたか?
(言外に夜間痛があるかを探っている)
(腰痛のred flag signを思い出してください。発熱+腰痛に夜間痛があったら、何の疾患を疑いますか? そうですね、何かの感染症を疑います。どうしましょうか? いくつかありますよ。こういう時は頻度順に考えるのでしたね。真っ先には尿路感染症かもと疑います。次は、脊椎の感染症、次は…と、ベテランの先生は診察しながら考えているものです。)

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