![]() |
2020年7月1日号 No.672 |
◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.75-1 高血圧はこう治す!(1)~本態性高血圧症に対する鍼灸治療~明治国際医療大学鍼灸学部 廣正基 ツイート
◎本シリーズの過去記事≫≫ 見る
「高血圧を治してください」と、初めて鍼灸院に来られる方はどのくらいいらっしゃいますか? 主訴として来られることはほとんどないと思います。では、鍼灸院で高血圧を有している方に会う機会はどれだけあるでしょうか。 日本高血圧学会では、高血圧を有している人は4,300万人いると言われています。また、厚生労働省による「平成28年 国民生活基礎調査の概況」では、男女とも「高血圧症」での通院率が最も多いとのことです。しかも年齢階級が上がるほど高くなっていることから、高齢者を多く対象としている治療院では、高血圧を主訴として来院することはなくても高血圧症を有している方に接する機会は多いと考えられます。鍼灸臨床でも高血圧の特徴を知り、高血圧を有した患者さんに適切に対応することが重要と思います。高血圧症は薬物治療以外の治療として生活習慣の修正が行われています。鍼灸臨床においても、単に血圧を下げる目的だけでなく生活習慣の修正に役立つ指導および治療を加えることができると考えます。そこで、高血圧について解説するとともに、鍼灸治療について紹介させていただきます。 高血圧について高血圧症は、わが国の有病率からみると全疾患中最も高く、高齢者となると65〜74歳の63%、75歳以上では74%が高血圧症に罹患していると言われています。高血圧には原因が明らかな二次性高血圧症と原因が明らかでない本態性高血圧症に分けられます。二次性高血圧は、腎性高血圧、内分泌性高血圧、血管性高血圧、薬物誘発性高血圧などがあり、原因を取り除く必要があるため鍼灸臨床の適応とはなりません。一方、本態性高血圧は原因が明らかでなく、高血圧の90%を占めています。鍼灸臨床では、二次性高血圧が除外された本態性高血圧が適応となります。この本態性高血圧は、血圧の値が高いだけで症状がないのが特徴です。遺伝因子や生活習慣による環境因子により起こるとされています。高齢者になるとさらに、フレイルや認知機能障害など高齢者特有の病態の合併も多くなることから、高齢者が多い鍼灸院においては治療の主訴のみならず高血圧症の有無を把握し、高血圧患者に対しては血圧動態を判断した上で治療することが大切です。 (続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます) |
![]() ![]() ![]() ![]() ■近刊(予約割)情報 ●DVD指圧名人列伝 その2 川原善次郎の指圧(監修:小野田茂) 今週号のPRの部屋はこちら ●鍼・温灸および経絡按摩・関節運動法講習会(聴講、年会入会歓迎) ★ヒューマンワールドの 本なら→→→→→→ こちら ★ヒューマンワールドの DVDなら→→→→→ こちら ★あはき求人情報 鍼灸マッサージ師・柔道整復師の求人情報は≫≫ こちら ■あはきワールドの学割 (0円)&わかば割(50%OFF) ★詳細は≫≫ こちら ■投稿原稿募集 週刊『あはきワールド』では、研究レポート、論説、症例報告、エッセーなどの投稿原稿を募集しています。 ★詳細は≫≫ こちら ■ヒューマンワールドのメールマガジン「あはきワールド」は毎週水曜日に配信しています。 ★配信登録は≫≫ こちら |