週刊あはきワールド 2020年7月8日号 No.673

投稿

関節運動法による頚部の痛みの改善

田中鍼灸指圧治療院 田中勝 


まえがき

 関節運動法とは関節運動学的アプローチ(AKA)に経絡を応用した内容で、実技ではAKAの基本を踏まえながら独自に開発した多くの手技がある。

 すべての手技において経絡に気を巡らせて症状を改善することを重視している。

症状

 右頚部の痛み。

患者

 女性、46歳、身長162㎝、痩せ型。

病歴

 10年ほど前に膵臓炎になってから飲食は気をつけている。

 漢方薬で甘草の入ったものは血圧が上がるので服用しない。

 ほか、現在、健康診断では特に問題はない。

症状発生

 朝、起きたとき首に少し違和感があった。

 ゴルフの打ちっ放しの早朝練習に行ってドライバーを振ったところ、首がギクッとなって痛みが出て動かなくなった。

施術

1.座位
 頚が痛くて横になれないというのでベッドに座ってもらった。

 頚を動かして右横に傾けると頚の右側頚部に痛みが出た。左側は筋が突っ張った感じであった。

 揉んで調べると圧痛は第6頚椎、第5頚椎の横突起部であった。

1)右手第4指の背屈と凹滑り法


図1                              図2










 中医学の経絡の判断から、頚部の側屈痛は手の三焦経と足の胆経に関係が深く、第4指の関節運動法で軽減することが多い。

 手指の関節面の形状は内側・外側の横から見て中手骨遠位端は凸、基節骨近位端は凹、基節骨遠位端は凸、中節骨近位端は凹、中節骨遠位端は凸、末節骨近位端は凹である。

 中手骨を固定して基節骨を掌屈・背屈すると基節骨の近位関節面は凹なので、関節面を骨の動く方向と同じ方向に動かす凹滑り法を行う。

 操作は第4中手骨を固定して基節骨底部に示指、中節骨底部に中指、末節骨底部に環指を当て、背側に圧迫して凹滑り法を行う。

 この凹滑り法に従って指を背屈すると、指の痛みが少なくて関節を大きく動かすことができる。

 指の関節を通常以上に大きく背屈すると、経絡に気を巡らせて頚部の症状を改善することができる。

 頚を右斜め前に傾けて、やや強い力で右手第4指への手技を行うと、右側頚部の痛みが軽減した。

2)右手関節の背屈と凸滑り法


図3                              図4










 手関節を背屈すると頚部の側屈が行いやすくなる。

・橈骨遠位端の関節面は凹で、手根骨近位列の関節面は凸である。橈骨を固定して手根骨を動かすと手根骨近位列の関節面は、手全体の動きに対して反対の動きとなり、これを凸滑り法という。

 手根骨を背側から掌側に圧迫して手掌部を背屈し、凸滑り法を行った。

 この手技でも頚の痛みが軽減した。
 

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