週刊あはきワールド 2020年7月15日号 No.674

緊急アピール20

COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ その4

~電話相談も必要ならば後追いをする~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


◎緊急アピール19 COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ
             その3
             ~発熱から考える~
◎緊急アピール18 COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ
             その2
             ~カゼか、COVID-19かの鑑別を中心に~
◎過去記事≫≫  もっと見る
 
(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 今回の症例は、判断が遅れると危うく重症化しうるケースでした。腎盂腎炎の患者さんでしたが、プライマリケアではよくある疾患の一つです。鍼灸院にも少なからず来院する疾患でもあります。多くは「治らない腰痛」のジャンルに入り、往々にして気がつくのが遅れる傾向があります。鑑別するためには、「腰痛+発熱」をいかに早期に発見できるかがカギとなります。さらに、COVID-19やインフルエンザ流行期には鑑別をより困難にしますので、バイタルサインの修得が大事となります。

■いつもどおり、電話相談で始まった

石川最近クリニックに来る発熱の症例が大変興味深いですね。

木村そうなんですよ。一筋縄ではいかないというか…。ここでも一例紹介しましょう。差し支えがない範囲で、患者情報は変更してあります。

18歳女性 発熱
 6/13(土曜日)に母親から電話相談。娘は6/8から高校に登校している。電車で通学しているが、6/12から寒気、頭痛、その後38.5℃の発熱がある。咽頭痛や鼻水、咳などの上気道症状なし。味覚障害なし、嗅覚障害なし。腹部症状なし。「排尿排便はいつも通り。」食欲あり、飲水はできている。周囲に発熱者なし。葛根湯内服開始している。電話にて、葛根湯内服継続して数日経過を見るよう指示。

木村COVID-19の可能性もありましたが、この時点では食事摂取などできていたので、家庭での過ごし方を指導して、数日様子を見ることにしました。その後の経過は電話で連絡をいただくことにしました。

石川上気道症状がない発熱、という部分で、その情報が本当ならCOVID-19の可能性もありますので、少し緊張しますね。

木村そうなんです。もちろん自覚していないだけで鼻水をすすっている人もいるので、油断はできないのですが。

石川この時点で先生の鑑別診断はなんですか?

木村感冒、COVID-19、肺炎、急性腎盂腎炎、ウイルス性髄膜炎、膠原病初期、あたりでしょうか。この時点では初診ですし、どれもぴったりはまる診断はないので、いろいろな可能性を排除せず広く考えているところがあります。

平岡え!? いま、なんと?

石川ああ、その視点、大切かもしれませんね。教科書にあまり書いていないことですね。「初診は不確定要素が大きいので、鑑別診断を広く考える」。臨床推論の大切なコツになりましょう。

平岡初めて聞きました…。

木村ああ、言われて初めて認識しました。(笑)よくわからない患者さんほど、ふわーと診断を確定しすぎずにぼんやり考えてみる作業をします。でもそのことを自分では意識していないかもしれません。振り返りって大切ですね。(笑)

石川経験を積むほど、頭の背後で自然に考えていると。

平岡背後というと、後頭部で?

石川患者に医療面接をしながら、バックグラウンドで鑑別診断の病名が浮上している感じでしょうか。

平岡長年培ってきたデータベースから、自然に取り出しているのですね? その後どうなったんでしょうか?

■そのバイタルサイン! 救急モードに突入

木村6/15(月曜日)に患家にお電話しました。
 

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