週刊あはきワールド 2020年7月22・29日合併号 No.675

緊急アピール21

COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ その5

~臨床俯瞰図におとしめて考察しよう~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


◎緊急アピール20 COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ
             その4
             ~電話相談も必要ならば後追いをする~
◎緊急アピール19 COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ
             その3
             ~発熱から考える~
◎緊急アピール18 COVID-19の第2波が来る前に、疑似症例から鑑別を学ぶ
             その2
             ~カゼか、COVID-19かの鑑別を中心に~
◎過去記事≫≫  もっと見る
 
(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 COVID-19の疑似症例の説明が治療者の頭の中をのぞいているようで分かりやすいとお誉めの言葉を頂いている。前号、前々号で紹介した症例6,症例7も前例にならい「臨床推論」の技法を展開した説明を試みて臨床思路を明らかにしたい。

 医学教育でスタンダードになっている「臨床推論」で紐解く鑑別診断の方法に興味のある方はオンライン勉強会黎明期のこの時期にこそ参加されたい。私たちのZOOMによる勉強会で提示した症例は、病態生理学の説明と「臨床推論」の技法に基づいて解説している。また、読者からの質問も頂いている。学びのネット文化育成に寄与できれば幸いである(師会共催などの共同勉強会を除いてはすべて無料である)。

■【症例6】52歳男性 会社員 発熱 <緊急アピール19で提示>

【症例提示1】
 5月28日から37-38℃程度の発熱あり、自宅にあった葛根湯を飲んでいた。上気道症状はなく、嗅覚異常も味覚異常もなし。食欲はあるとのこと。倦怠感と頭痛が軽度あったが、嘔気や嘔吐なし。排尿排便はいつも通り。翌日5月29日に来院した。来院時体温は37.4℃。
 仕事上、在宅勤務ができない仕事内容とのことで27日まで出社していた。5日ほど前に勤務先で感冒症状の人がいたが接触はない。

 上記症例で紹介した。下記に、患者の「問題表象」として鑑別診断に必要不可欠な情報に短くして提示する。

【問題表象1】
 52歳、男性。昨日から37-38℃程度の発熱。軽度の倦怠感と頭痛。上気道症状なく、嗅覚異常も味覚異常もなし。咽頭発赤なし。嘔気や嘔吐なし。食欲あり。排尿排便は正常。

【臨床思路】
37-38℃の中程度発熱。倦怠感と頭痛のみで、上気道症状はない。
 咽頭発赤なし。
 →「上気道症状が揃わないうちは感冒と言ってはいけない。」
 <緊急アピール19;論拠エンジン1>

感冒ではなく他の感染症を疑う。
 →5日ほど前に勤務先で感冒症状の人がいた。患者との濃厚接触ではないが、
 同じ職場である事実に留意する。
 →嗅覚異常も味覚異常などもないが、COVID-19の鑑別も念頭に置く。

発熱時は、発熱と他の症状の組み合わせで疾患を想起する。
 →現在は、軽度の倦怠感と頭痛のみである。
 →時間の経過と観察が必要である。

しかし、今後数日で解熱すればウイルス性感冒の可能性が高い。
 →時間の経過と観察が必要である。
 

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