週刊あはきワールド 2020年9月23・30日合併号 No.683

緊急アピール27

COVID-19でどれだけの人が死んでいるのだろう、他国と比べたくなるが

~死亡者数、致死率、死亡率をじっくり考えて見よう~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


◎緊急アピール24 COVID-19時代の熱中症対策について
             ~ユニークな分類表を使う~
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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 テレビのニュースをつけると、連日COVID-19の新規感染者数と死亡者数についての発表があります。また、他と比較して「日本の致死率は○○(国名)より低い」「COVID-19の死亡率はインフルエンザよりも~~」「第2波は第1波より致死率が下がった」などの死亡者数にまつわる話題を見かけることも少なくありません。私たちを一喜一憂させる発表ですが、ここで用いられている「死亡者数」「累積死亡者数」「致死率」や「死亡率」などの意味をつかんでいないと、確かな判断ができません。今回は、それらの言葉が出てきても自分で解釈できるための考え方について話し合ってみました。

■毎日、世界でCOVID-19の死亡者数が発表されていますが

石川COVID-19でどれだけ人が死んでいるのだろうか、また自分の国と他国とを比較したいという心情はよく分かります。

木村自分の住んでいる国がCOVID-19に上手に対処しているかを知りたくなるのですね。しかし、比較は一筋縄にはいきません。

石川統計で大切なことですが、何のことと何を比べているかを明確にして考えていないと、いわゆる「統計にだまされる」ということになります。

平岡スーパーマンとウルトラマンはどっちが強いか!

木村米国と日本のヒーロー比較で良い喩えです。でも、何かがおかしいと気づきますよね。比較対象が明確でないと比べようがありません。

石川分かりやすい例をもう一つあげると、テレビ報道で何回も米国の死亡者数は世界一と発表されるので、米国は世界一うまくいっていない国だと強く印象づけられてしまいます。

木村人口比の考え方が入ってないからですね。

石川バックグラウンドに何があるかをいつも考えていないと、その数字の意味と大きさがつかめない。バックグラウンドとは土地の大きさと人口が大きな要素ですが、他にも医療体制や交通機関の整備、貧富の格差などもです。

平岡米国の人口は3.282億人ですが、ヨーロッパはどの国も1億人を超えていません。人口あたりの死亡者で見てみると、第1波ではスペイン、フランス、イタリア、イギリスなどの方が米国よりも断然死亡者が多いのです。

木村そうすると、今度は評価が正反対になります。米国は意外と上手くやっている国だと。

石川そうですね、そんな風にして考えながら、読者はこれから展開する死亡者にまつわる数字と図を見てくれればと思います。

■死亡者数にまつわる指標に惑わされないために意味を理解する

平岡前回の原稿では、日本におけるCOVID-19のレジストリ研究の中間報告をもとにして、これまで世界的に報告されてきた数字と日本における数字を比べました。その中で、図1を示したのですが、その図の読み方について補足が必要だと思いました。
 

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