週刊あはきワールド 2020年10月21日号 No.686

症例で学ぶ入江FTシステム 第29回

入江式奇経治療による症例

~周産期の症例~

寺子屋お産塾 田中寿雄 


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はじめに

 周産期とは現代医学の産科領域の言葉であり、妊娠22週から生後7日未満までの期間を指すとのこと。この期間中の妊産婦および胎児・新生児を対象にした制度が作られて以降、胎児・新生児の死亡率は飛躍的に減少して、顕著な成果が挙がっているとのこと。

 現代医学の認識は周産期の母体と児のそれぞれに特徴があり、母体の特徴としては

 第一に、妊娠中の生理的な変化により、正常妊婦でもさまざまな症状が出現することが挙げられる。つい先ほどまで全く正常に経過していたのに、突然急変して重篤な状態に陥ることもしばしばであるとのこと。

 第二に、周産期に起こる不安やストレスなどにより情動の変化が起こりやすく、はたから見ると些細な事にでも、不安や焦り、悩み等が生じて敏感になったり、感情が高揚したりすることがある。周産期は母子関係確立に最も重要な時期ともいえるとのこと。
 
 一方、東洋医学には周産期という言葉はありませんが、妊産婦・胎児が少しでも快適な妊娠ライフを過ごせるよう積極的に応援できる医療であり、その一つが安定期の目安となる16週を迎えた妊婦さんに「三陰交」の施灸は多くの効果があることは周知の事実です。

 前回の28回では、9週目の折に来院された症例を報告しましたが、16週を迎えられたら「三陰交」へのお灸を薦めていた。19週目の産科を受診された帰路に来院され、三陰交のお灸は「気持ちいいです」と、楽しみながらお灸をしていますと。
灸痕はホクロのように型崩れがなく、落ち着いた気持ちでお灸をすえている証だと思え、お産当日まで続けられる筈だと確信しました。

 さらに、22回27回の症例報告では、保育士・26歳の方も三陰交へのお灸は「楽しみです」と、出産当日まで続けられて10月5日の来院では、予定日前日の9月22日「元気な男の子を出産しました」と、嬉しぃ報告を聞きました。

 現代医学は周産期と明言して妊婦さんに様々な対応をされて効果を挙げているようですが、東洋医学も妊婦・胎児に応援可能な医療であり、鍼灸師であれば誰もが周知していながら、妊婦さんの認知度は少ないのが現状のようです。

 そのため鍼灸師各位の感心度は高いとは言い難く、今回の報告が若い世代の鍼灸師の方々に周産期への関心を持っていただくキッカケになればと思っています。
 

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