週刊あはきワールド 2020年10月28日号 No.687

あはきメンタル~臨床心理学入門編~ 第4回

臨床心理学と鍼灸の接点(4)

目白大学大学院心理学研究科教授 奈良雅之 


 
 みなさんの治療院では在宅勤務で体調を崩した患者さんがいらっしゃることはありませんか。最近、在宅勤務で肩こりや腰痛を訴える患者さんが増えています。そんな患者さんからは、テレワークによる不規則な勤務時間や、長時間パソコンに向う作業、雑談ができない状況に加えて、自宅が職場となってくつろがないなど、様々な訴えを聴取することができます。出勤日数の減少は通勤の負担を低減させる反面、会社員としての日常生活リズムを維持する上で障害となることも頭の片隅においていただければ幸いです。

 前回もお話しましたが、コロナ禍の状況は、生身の人間と会って話をする機会を極端に減少させています。また、対面する機会を得たとしても、身体接触可能な距離に近づくことは、著しく制限されています。これが「新しい日常」だとすれば、治療院で施術を受けるという非日常空間は患者さんの心身の健康にとってますます重要になるのではないかと感じています。

 では、施術の時間に患者さんから何が語られるのでしょうか。患者さんのストレス、苦悩を耳にしたとき、それに対してどのような態度で応じたらよいでしょうか。

 前回は、来談者中心療法の創始者C.ロジャーズの示した治療者の基本的態度の中から、「無条件の積極的関心」と「純粋性および一致性」について、日本におけるスポーツカウンセリングの第一人者である中島登代子氏のエッセイをテキストとして考察しました。

 今回は、治療者の基本的態度としての「共感的理解」について、心理学における若干の知見を紹介した後に、中島氏のエッセイを引用しながら臨床心理学と鍼灸臨床との接点について考えてみたいと思います。

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