週刊あはきワールド 2020年11月11日号 No.689

偏屈人的私講釈 「酔以入房」から見えて来る気の世界 第2回

道教の気と鍼医学の気の確執(2)

~第2章 鍼医学の気~

くすえだ鍼灸院 黒田俊吉 


第2章 鍼医学の気

1.鍼医学の成立
 鍼医学は気を中心とした医学であると言われることがあります。前項の老荘思想(道家思想)は紀元前200~300年頃に形作られました。道教教団の成立は西暦200年頃と言われています。この400~500年の間に、気を中心とした鍼医学が作られたとされています。

 それでは鍼医学はいつ頃誕生したのでしょうか。ほぼ常識的となっているのは、『黄帝内経』が出来た時が、鍼医学の体系の骨格が出来上がった時であろうということです。

 それでは『黄帝内経』は、いつ頃出来上がったかというと、第1章でも書きましたが、西暦1年前後、今から2000年ぐらい前となっています。

 西暦1年前後に鍼医学の体系が出来上がったとすると、数年で鍼医学の体系が出来上がるとは思えませんので、いつごろから治療道具としての鍼が用いられ出したかを考察してみたいと思います。

1)馬王堆医書
 まず確実的な事柄で見ますと、前漢の時代、紀元前168年に埋葬されたとされる馬王堆三号漢墓医書があります。これには経脈らしきものはありましたが、鍼医学とされる記載は見当たりません。つまり紀元前168年までは鍼を使った治療体系はなかったといえます。
 

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