週刊あはきワールド 2021年1月6日号 No.696

緊急アピール28

感染拡大を抑えるのは今も昔も一人ひとりの感染予防行動

~前回から3カ月経過しての情報アップデート~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 前回の緊急アピールから3カ月が経過した。10月末から感染者が増え続けており、“第3波” の襲来である。この3カ月で新たにわかったこと、変わっていないことをまとめ、医療者として知っておくべき知識のアップデートを図ると同時に、一般市民に何を伝えるかを共有したい。市民(患者)に理解してほしい内容を冒頭にまとめ、その後に根拠となる論説を提示していく。

■増加の一途をたどる“第3波“のただ中で


●東京、大阪などの大都市とその近郊都市では医療体制が逼迫している。
●地方の基幹病院は広域をカバーしており新型コロナ感染症用の病床数には
 限りがある。
●大都市では、すでに重症化リスクの高い高齢者も原則入院ができなくなって
 いる。
●自宅待機していた事例が重症化して搬送先が見つからないケースが始まっ
 ている。
●帰省先であれ、自宅であれ、事故や怪我など、また通常疾患の緊急手術
 などができない可能性が高まっている。

 病院数やベッド数を増やすべきとの声があるが、病院設備を感染症に対応できるものに変えても、そこで働く医療者は簡単に増やせるものではない。知識や技術を付けた人材を育てるには、時間がかかることを理解しなければならない。感染対策についてほとんど何の準備もしてこなかった(縮小すらしていた)日本の行政・医療では、感染症設備や患者を扱う教育が間に合っていない状況にある。日本では保健所や病院整備の予算減額の続いている中で、世界的規模での新興感染症のパンデミックが起きてしまった。

 憂慮すべき感染者の増加が始まってしまった。7~8月の所謂“第2波”は9月に収まりを見せたが新規感染者数は500人前後を継続する形で下げ止まってしまった。10月末になると少しずつ感染者が増え始め、そこからは増加の一途をたどっており、“第3波”となってしまった(図1)。その規模は3~5月の第1波、7~8月の第2波を上回ってきており、地域によってはすでに病床数が逼迫している(図2)。この記事を書いている時点でも、12月23日時点(図2左)ではまだ満床ではなかった病床数が、28日(図2右)にはすでに満床を超える都道府県が出ている。特に東京都では12月30日のモニタリング会議で報告された29日時点でのモニタリング項目のすべてが増加しており、非常に緊迫している(図3)。

 年末年始は帰省せずに自宅にいて、地方都市に感染を広げないようにすること。また、帰省先の家族や親戚を守ることが、医療者として職業上の責務であり、そのことを率先して一般市民に呼び掛けたい。
 

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