週刊あはきワールド 2021年1月13日号 No.697

しくじり症例から学ぶあはき臨床 その5

残念な、操体法あるある

~セルフケアでのしくじり編~

川名操体治療室 川名慶子 


◎過去記事≫≫  もっと見る
 
 鍼治療ができない、受けるのも苦手という情けない鍼灸師の川名です。

 というわけで、わたしがお伝えできるのは、徒手療法、操体法のお話になります。具体的な症例検討的内容ではないので、しくじり症例から学ぶというテーマからすると、少しそれた感はありますが、そこは操体法という特殊な技術の話なのでご容赦願います。ご存じない方もおられるかと思うので、まず操体法について簡単にご説明します。

操体法とは

 操体(そうたい)法とは、医師 故橋本敬三先生(1897~1993)が体系化した運動療法です。先生は運動系が健康と疾病に重大な意義をもっていることに着目し、正体術を初めとする様々な民間療法、東洋医学系の療法に影響を受け、研究を重ねました。その結果、編み出された操体法は、運動系の基礎構造・運動の力学・運動の分析による法則の認識により組み立てられたものです。

 そして、操体法の最大の特徴である、ラク、気持ちよい方向を把握することの重要性を示しました。

 「人間のからだは、もともとよくできている。それが歪むことによって不健康になるわけですからその歪みを治してやれば健康になるのです。

 歪みを治すには苦しいほう、痛いほうに動かすのではなくらくな、気持ちよい方向に動かせばよいのです。これが操体法の原理であり、健康の原理です。」

 また、健康とは自分の責任で守るものとの観点から、他力でなく自力でやる方法論としての操体法を推奨されました。
(治療室ホームページより抜粋)

 ということで、操体法は単に治療法、調整法の技術にとどまらず、セルフケアの手段という側面も持っている体系です。ですので、今回のしくじり情報として、前半でセルフケアでの話題を後半では自分の臨床経験を振り返りながら残念な記憶を掘り起こしたいと思います。

セルフケアでのしくじり編

 そもそも、操体法にはじめて出合ったのは1980年代、学生の時でした。健康法のムック本に紹介されていた記事を読んで知ったのでした。

 お金もかからず一人でできてラクな方に動いていけば良くなる。貧乏で怠け者の学生だった、わたしに甘い言葉で操体法は語りかけてきたのでした。そこから、すでにしくじりの人生が始まっていたとは、当時思いも寄らなかったです、、

 何が、しくじりかというと、「なんでも一人でできると思い込むことによるしくじり」です。
 

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる