週刊あはきワールド 2021年1月27日号 No.699

あはきメンタル~《からだ》と《こころ》の寄り添い編 第19回

非日常下における呼吸法の活用

目白大学大学院心理学研究科教授・あはき心理学研究会 奈良雅之 


◎過去記事≫≫  もっと見る
 
 昨今、アニメ「鬼滅の刃」が話題になっています。主人公・竃門炭治郎が鬼殺隊士として鬼と戦うストーリーの中で登場する「全集中の呼吸」は、2020年の流行語大賞の上位にランクインしました。アニメの中で主人公らが使う「全集中の呼吸」は、身体能力を大幅に上昇させる特殊な呼吸法として位置づけられています。 

 わたしたちは、運動や作業をするときに呼吸を意識することがあります。呼吸を意識することが、力の発揮や注意の集中に有利になることを知っているからです。武道や対戦型スポーツ種目では、対戦相手の「呼吸」を察知して、呼息から吸息の切り替えのタイミングで技を掛けると成功することが知られているように、呼吸はパフォーマンスに大きく影響します。

 また、相手と呼吸を合わせることは、共同作業を円滑にすることが期待できるでしょうし、人に見つからないように隠れるときは、息を潜めることからわかるように、呼吸は身体が発する情報でもあります。

 さらに、呼吸は痛覚刺激に影響を受けます。吸息時の痛み刺激によって、吸息は停止され呼息に切り替わります。鍼灸においても補法は呼息で刺入して吸息で抜鍼し、瀉法は吸息で刺入して呼息で抜鍼するという呼吸の補瀉が伝えられており、呼吸を意識することの重要性が理解されています。

 こうした呼吸の特性を理解し、意識的に呼吸をすることでパフォーマンスの向上やリラクセーションなど、目的の効果を得ようとする行為は呼吸法と呼ばれています。

 ここでは、競争場面などストレスフルな環境下で注意を集中したりリラックスしたりするための技法としての呼吸法について紹介したいと思います。

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる