週刊あはきワールド 2021年2月3日号 No.700

緊急アピール29

緊急事態宣言から4週間、ここらで兜の緒を締め直そう

~COVID-19の重要ポイント総復習~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 12月の感染者増大に伴い年明け早々に緊急アピール28を出しましたが、そのすぐあとから2度目となる緊急事態宣言が発令されました。新規感染者数は減ってはいるものの減り方は緩やかで、政府はさらに1カ月の延長の調整に入ったと報じられています。1月に入り都市部では、医療体制の逼迫のために酸素吸入を必要とする中等度以上のCOVID-19患者が入院できないケースも散見されています。医療体制をこれ以上逼迫させないためにもここが踏ん張りどころです。今回は新しい情報は控えて、これまでにわかっている重要ポイントをまとめました。

COVID-19はカゼと違うの? どのくらい危ないの?
◆ 症状の乏しかった人が急激に悪化して医療の介入がないと死に至ることが
  ある
◆ 低酸素状態なのに息苦しいなどの自覚症状が現れない(happy hypoxia
◆ 国内では、60歳代で1.3%、70歳代で4.3%、80歳以上で11.4%の致死率
◆ 60歳未満では致死率は0.3%未満で死に至る可能性は低い
 ・ しかし! 重症化するケースも報告されているため油断は禁物
 ・ さらに! 回復したあとも1~6カ月を超えて後遺症が続いてしまう
 ・ 無症状や軽症でも感染力はしっかりある
◆ ただし、重症化リスクを持つ人は年齢に関わらず危険!
 ・ 肥満(BMI30以上)、喫煙、喘息、高血圧、糖尿病などで3倍前後のリスク
 ・ 複数の基礎疾患があると5倍近いリスク

 COVID-19では発症から1週間ほどカゼ程度の軽い症状が続き、それで治ってしまう人(軽症)と、そこから肺炎になり全身状態が悪くなる人(中等症~重症)に分かれる経過をとります。しかし、初めの1週間は症状が乏しかったのにそこから急激に肺炎症状に陥る人がいます。このときに入院ではなく自宅療養していると処置が追いつかずそのまま亡くなってしまう例が国内でも報告されています。また、本来ならかなり息苦しいと症状が出てもおかしくない低酸素状態になっているにもかかわらず、自覚症状がなくいつも通りお喋りしていたり携帯電話をいじったりしていることがCOVID-19患者では生じており、ハッピー・ハイポキシア(幸せな低酸素症)と呼ばれています。これらは他の肺炎ではほとんど見られないCOVID-19に特徴的な症状で、重症度を見過ごされてしまう危険性があるためにCOVID-19患者の医療的判断や治療をより困難にしています。

 高齢であるほど致死率が高いことや、重症化リスクとして喘息、肥満、糖尿病、慢性腎疾患、心血管疾患、脳卒中の既往、COPDなどがあることはすでにご存知だと思います。厚生労働省が毎週発表している年齢別の致死率のデータ1)を元に作成したものが図1です。この1カ月は軽減傾向を続けていますが、医療崩壊が起これば救えない患者さんが増え致死率も当然上がってくるでしょう。

 重症化リスクが低い若い人も、まれに重症化すること、身の回りのリスクの高い人にうつしてしまうかもしれないこと、運良く軽症で済んでも後遺症が数カ月続いてしまう可能性があることなどを十分に認識し、「ただのカゼ」と決してあなどらないことが大切です。
 

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