週刊あはきワールド 2021年3月24・31日合併号 No.707

治療家のための薬の基礎知識 第51回

耐性菌が増えるメカニズムと耐性菌の増殖を防ぐ抗菌薬の服用法

千葉大学医学院和漢診療学非常勤講師 和光治療院・漢方薬局 平地治美 


◎第49回 抗生物質の分類
◎過去記事≫≫  もっと見る

耐性遺伝子の伝播

 前回は耐性菌がどのように発生するのかを解説しました。耐性菌が発生するだけでも困るのですが、さらに拡散していく仕組みがあるのです。

 発生した耐性菌は「抗菌薬を無効にできる遺伝子」を持っています。そしてこの遺伝子は病原菌同士の間でどんどん伝わっていきます。ひとたび耐性菌が発生した時にはまるでSNSであっという間に情報が拡散されるように仲間に伝わっているわけです。

 ただ単に耐性菌が発生するというだけでなく、その発生した耐性菌の遺伝子はあっという間に仲間に伝わり拡散していく、これが恐ろしいのです。

耐性菌が増えるメカニズム

 ところで耐性菌はすべてが抗菌薬により発生するわけではありません。抗菌薬を使用していない自然な環境下においても、一定数の耐性菌は発生しています。この抗菌薬を使用しない自然な環境で存在する耐性菌は、淘汰されて死んでいくはずの弱い存在です。

 しかし、抗菌薬を使用するとこの状況が変わり形勢が逆転します。耐性菌ではない菌が抗菌薬によりいなくなった結果、耐性菌のみが生き残ってしまうことになります。その後、耐性菌が増殖することでその勢力を拡大していきます(図1)。
 

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる