週刊あはきワールド 2021年4月14日号 No.709

外洋客船でゆく、はり旅! 第19回(最終回)

クルーズ船における新型コロナウイルスの影響 (14)

OneSpaWorld 鍼師 天野弘子 


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 今回は、新型コロナウイルスの影響でサービス停止したクルーズ船において、乗船している船から「帰国までの待機」船に移動し、帰国するまでについて書きます。

・乗員のみ95日目:5月24日 フィリピン・マニラ湾1日目

 朝食は、船ごとに時間が区切られていました。わたし達の食事時間は、8時15分から45分の30分間です。卵を朝食に食べました。

 移動先の船でも毎日検温を行います。

 前日違う船に移動して来たばかりなので、荷物をほどき、生活環境を整えます。

 基本的に船室の掃除はしてありますが、快適に過ごすために、いつも一通り掃除をすることにしています。

 バスルームには、船で使用済みになったと思われる白い樹脂製のペール缶に水が貯められていました。その水は、透き通っていましたが、いつから貯められているのか、全くわかりません。東南アジアに行くと、よくトイレに水が貯められていることがあります。その船室は、普段インド、インドネシア、フィリピン人などのアジア人が使用していたはずです。

 最初の日は、謎の物体を詳しく確認するのが恐ろしくて「見なかったこと」にしていたのですが、勇気を出して水を捨てました。澄んでいるように見えた水が入った容器はややヌメリが出ていました。捨ててよかったです。そのままにしていては、衛生的によくありません。

 前日に船員が移動して来た船には、ダイアモンドプリンセス号もあり、日本人の船員7名と会いました。全員がダイアモンドプリンセス号から下船して船中消毒したあと乗り込み、片付けをしていたそうです。ニュースでも話題になっていたダイアモンドプリンセス号は、通常真っ白で美しい船体にサビが見えていました。

 乗客が乗船中は、外側のメンテナンスもしっかり行いますが、乗客のいない船は外側までメンテナンスが行き届かないようでした。フィリピン湾には20〜30隻の船が集まっていましたが、どの船も遠目から船体にサビが見えていました。大変な航海をしてきたことが想像できます。

 昼食時間は13時15分から45分の30分間でした。お昼ごはんを食べていると、前の船から一緒に移動してきたキャプテンと副キャプテンが席をさがしており、一緒に御飯を食べました。任務が解けて私服を着ているお二人は、リラックスして見えました。お二人の出身国オランダは、ロックダウン中で、オランダ人でさえ入国を禁止されていて、いつ帰国ができるかわからないとのことでした。

 キャプテンが船を移動してきたら、地下の下級船員用の船室だったとかで、上の階のよい部屋に移動をしたそうです。キャプテンなら船を移動してもいい部屋になるのですが、移動の混乱で上手く手配がされていなかったようです。

 わたしは、「自分の部屋が地下2階の部屋は初めてで、バスルームが共同になっていることに驚いた」と言うと、副キャプテンは「地下2階で共同バスルームの船は普通にあるよ」といいました。乗船してから約6年になりますが、それでも「知らない世界があるものだ」と思いました。

 夕方、船はマニラ湾に入りました。遠くにビルが見え、20隻以上の船が錨を下ろしています。

 他の船から外国人の船員がマニラから帰国をしていました。フィリピン人の船員は、帰国をする前に一人部屋の船室で2週間の隔離を義務づけられていました。多くの船がフィリピン人の下船をさせるために、当局から許可を出るのを待っていました。中には待機して1〜2カ月経つ船もあったそうです。

 希望があり、お一人鍼治療をしました。久しぶりの治療でした。
 

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