週刊あはきワールド 2021年4月21日号 No.710

緊急アピール31

ワクチン接種部位から考える刺針リスクと安全性

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 4月12日から高齢者への新型コロナワクチンの接種が始まりました。医療者への優先接種は遅れていますが、少しずつワクチン接種数が増えているのはありがたいことです。さて、新型コロナワクチンは、日本の医療者にとってこれまでのワクチンとは大きく違うことがあります。それは皮下注射(皮下注)ではなく筋肉注射(筋注)であるということです。これに伴い、医療者が集い情報共有や相談・議論を行っているメーリングリストの一つでは、2月から3月にかけて安全な三角筋への筋注のやり方について活発に議論されていました。これは日常的に三角筋に鍼を打つことも多い我々にとって非常に面白い議論だと感じたので、今回はワクチンの話とともに、三角筋周辺の解剖についても考えていきたいと思います。


図1 ワクチン注射、どこに打てばより安全?


















■予防接種は皮下注射…は時代遅れ!?

 日本では予防接種は皮下注で行われるのが一般的ですが、実は諸外国では多くのワクチンが筋注で行われています。ワクチンの接種経路は、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、経鼻投与、経口投与などあり、どれを選択するかは、望ましい免疫反応が得られること、局所反応や神経・血管傷害が最小になることなどから決められます。不活化ワクチンは皮下注で投与した場合に局所反応(発赤、硬結、炎症、肉芽形成など)が起こりやすいため、世界的には筋注での接種が一般的です。しかし、日本では一部のものを除いて皮下注と定められています。これは、1970年代に解熱剤や抗菌薬を筋肉注射していたことで約3,600例もの大腿四頭筋拘縮症の報告がされたことから、ワクチンを筋注で投与することを避けるようになったという歴史的背景があるようです2)。50年近く昔の、ワクチンとは関係のない出来事の影響で、いまだに世界のスタンダードから外れた接種方法を行っているのが日本の現状です。
 

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