週刊あはきワールド 2021年4月21日号 No.710

臨床万事塞翁が馬 その35

任せてやらねば人は育たず!

大阪漢方鍼医会 森本繁太郎 


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1.若者を育てるという事

 最近は若者の行動様式も随分様変わりしてしまったみたいですね。私の生まれた昭和の時代からすれば、平成や令和の世では、この辺りがらりと変わった印象です。単なる印象ですから、私の偏見の部分が大きいかと思いますが…。

 まずは何が変わったかですが、若者がよほどでない限り、その辺の大人そして年寄りのいう事に耳を傾けなくなりました。しかしこれにはちゃんとした理由があるんじゃないでしょうかね。昔は若者が何かを尋ねれば、親も隣のおばちゃんも向かいのおっちゃんも同じような答えを出してくれていました。これはとてもわかりやすかったんです。大人の言う事に素直に従ってさえいれば適当にそこそこの人生が歩めましたからね。おまけにネットなんてな便利なものもなかったですから、余計な情報もほとんど入る事はなかったですしね。

 ところが今はどうでしょう。大人の価値観が多様化したと申しましょうか、尋ねる人ごとに答えが違う事が多いんですよね。親は「あなたを信じているから、自分の好きなように生きなさい!」と言うし、隣のおばちゃんは「そんな事をしたら親が泣くよ!」と言うし、向かいのおっちゃんは「おっちゃんやったらそんな事よりもこんな事をするなー!」と言うし……。

 これにもいくつかの理由があると思いますが、最大の理由は情報過多ではないでしょうかね。人間に限らず選択肢が多ければ価値観も多様化するでしょうし、目移りというやつもドンドンしてしまうでしょうからね。自ずから若者の疑問に対しての答えもばらばらになってしまうわけです。これプラス、情報の鮮度の差も大きな理由になるんでしょうね。何と申しましても、ある程度の年齢に達しますれば古い事は結構憶えていても、新しい事は海馬(hippocampus)には全く溜められなくなりますからね。したがって、最新の情報を求めている若者のニーズには残念ながら沿えない事になってしまいます。

 そんな場合最近の若者はどうしているかですが、親や年寄りに答えを求める事はせずに、自分たちにちょっぴり都合の良い答えを友達やネットに求めているんだそうです。これはある意味仕方のない事なんでしょうね。もし私の青春時代に今と同じ環境が与えられていたならば、まず間違いなく今の若者とまるで同じような行動を採っていたでしょうからね。ですから、今の若者の大半を育てているのは友達とネット環境という事になるんじゃないですかね。

2.若者鍼灸師を育てるという事

 当然鍼灸の学校に行って最終的には国家試験に合格しないと始まらない話なんですが、いつぞやも書かせていただきましたように、免許を取るという事は単に「鍼灸の施術を行って構いませんよ!」という言わばお墨付きのようなものを国家からとりあえず頂いただけの事なんですよね。
 

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