週刊あはきワールド 2021年5月19日号 No.714

緊急アピール33

ワクチン接種が遅れ、世界から取り残される日本

~日本は「遅れた」国になってしまうのか~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント

 日本ではまだまだワクチン接種が進んでおらず、感染者が減っても緊急事態宣言が解除されるとまた感染者数が増えるというサイクルを繰り返してしまっています。終わりのない緊急事態サイクルから抜け出すにはどうしたらよいのでしょうか? 私たちにできることは何でしょうか?

■新型コロナウイルスは根絶できるのか?

 人類の生存を脅かすのは戦争と暴力と感染症であることは、歴史を振り返れば自明です。この地球に住む限りは、感染症との闘いは否応なしに降りかかってきます。根絶や制圧にかけた医学徒の努力は時代を超えながらその意志はたゆまなく続いています。人類史上唯一根絶できたのは、前回紹介した天然痘だけです。しかし、根絶の対象と掲げている感染症には、近い将来に可能性のあるポリオをはじめ、他に7つほどあげられています。マラリア、フィラリア、麻疹、風疹、C型肝炎、流行性耳下腺炎、有鉤条虫です。

 人類史上最大の伝染病であった天然痘の記述を『銃・病原菌・鉄』から引用します。「南北アメリカ大陸の先住民部族のあいだに広まり、コロンブスの大陸発見以前の人口の95パーセントを葬り去ってしまった」と。この天然痘を根絶できたのは種痘(ワクチン)が開発されたからでした。感染症の根絶には3つの条件が必要であると言われています。


図1 感染症根絶の3条件





■結核が根絶できない理由~私たちにできることは

 同時に、昭和20年代まで「死病」とか「不治の病」と恐れていた結核の撲滅が未だに難しいことは上述の「根絶の3条件」から分かるかと思います。結核は無症候性感染があるからです。しかし、ワクチンがあるおかげで、「死病」とまでのイメージはなくなりました。昭和の頃、新撰組の映画には必ずと言っていいほど沖田総司の「ゲボゲボ、どはー!」と喀血するシーンがありました。たいていイケメンの俳優さんでした。

 さて、新型コロナウイルス感染症はどうでしょうか? この3つの条件を眺めていると新型コロナウイルスの根絶どころか、制圧でさえ難しいことが分かるかと思います。感染して苦しむ身体のみならず、長きに渡る後遺症や、経済活動までを脅かす新型コロナウイルスを根絶できないまでも、制圧コントロールするにはワクチンが唯一のゲームチェンジャーであることがお分かりいただけると思います。

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