週刊あはきワールド 2021年5月19日号 No.714

臨床万事塞翁が馬 その36

血管年齢は胃の気の夢を見るか?

大阪漢方鍼医会 森本繁太郎 


◎過去記事≫≫  もっと見る

1.血管年齢

 ええっと、本日は血管の年齢、それに「胃の気」なんぞをこてこてに絡めて、とてもタイムリーな話をさせていただきたいと思っております。と申しながらも、書き手の私が何がタイムリーなのかが全くわかっていないんですが、はい。

 さて、血管年齢でありますが、血管の弾力つまり若々しさやしなやかさの有無を年齢に当てはめたものなんですよね。できればこれに艶もプラスしてほしいなーと個人的には思っておりますが……。血管の弾力や艶の程度を知る事で、脳卒中や心臓病などになる可能性や老化の度合いなどをある程度は知る事ができるんです。血管の硬化ですが、これは加齢に伴って起こる以外に、食生活の偏りや運動不足が原因で血管内にコレステロールなどの不純物がこびり付いて血流が悪くなる事でも起こるんでしょうね。プラス遺伝的な因子も加味するかと思いますが……。所謂動脈硬化症というやつがこれに当たるんでしょうね。

2.人は血管と伴に老いる

 人間だけではないんでしょう、血管を持って生きているものならば、全てにこの理屈は当てはまるんだと思いますが、血管全体が硬くて内側が狭ければ、血液は潤沢には体内を流れません。そうなりますれば、全ての細胞に酸素も栄養分も十分には行き渡らないでしょうし、代謝産物の処理もうまくいくわけはありませんよね。自ずから身を滅ぼす事になるわけです。血管を我々の住む社会に置き換えてみますと、金属製の水道管や、ゴム製のガス管、塩化ビニール製の下水管あたりのライフラインになりましょうか。水道管の内側が錆びてくればドンドン狭くなってきますよね。そうすれば当然水の通りも悪くなりますから、水圧も上げないといけません。しかし、無理に上げれば管の壁が持ちません。卒中ならぬ水道管破裂を起こしてしまいますし、錆が増えていけばそのうち水道管が詰まってしまいますから、差し詰め梗塞という事になりましょうか。一方ガス管ですが、ゴムの場合古くなってきますと徐々に硬くて脆くなってきます。つまりは血管の老化現象とまるで同じ症状になってしまいますよね。下水管も血管と同じで小まめに掃除しないとドンドン駄目になっていくんですね、悲しいかな!

 そう言えば、下水道専門に掃除をする会社にお勤めの患者さんにお聞きした話なんですが、驚くなかれ一番汚れている下水管はと申せば、「中華料理屋さん」のものだそうですよ。口径が30センチメートルの下水管の内側10センチメートル分には、料理から出てくる脂肪がたんまりこびり付いているんだそうです。ですから、せっかくの30センチメートルの管であっても、実際には10センチメートル分しか下水が流れないんだそうです。死の四重奏なんてな事をお医者様に言われているような患者さんの血管は、まさしくこんな状態なんじゃないでしょうかね。所謂「欠陥人間」そのものなんだと思いますよ、はい。

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる