週刊あはきワールド 2021年6月16日号 No.718

全力で治す東西両医療 第53回

痹証の臨床推論

~痹証はやっぱりブレンドを見極める④~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)荒川和子(4)平岡遼 


◎第52回 痹証の臨床推論
       ~痹証の病因病機③~
       (石川家明・木村朗子・平岡遼)
◎第51回 痹証の臨床推論
       ~痹証はブレンドを見極める②~
       (石川家明・木村朗子・平岡遼)
◎第50回 痹証の臨床推論
       ~経筋・経絡病 vs 痹証①~
       (石川家明・木村朗子・平岡遼)
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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)荒川和子:ともともクリニック教育係
(4)平岡遼:ともともクリニックレジデント
 
 風邪、寒邪、湿邪、熱邪の侵入があるのならば、それはカゼ、インフルエンザ、またはコロナウイルス等々による感染症になってもよいのに、なぜ「痹証」になるのか? また、それらの邪気が表から入ってくる表証ならば、特には治療しなくとも自然に寛解するのではないか。むしろ長患いや不治の病になるケースも多々ある痹証との違いはどこなのか? そんな素朴な問いから、私たちに身近な神経痛、関節痛の古典的診断名である痹証の姿を、横道にそれながらも解き明かしていきます。

■痹証とカゼの違いがわかった

石川そろそろ、カゼ(普通感冒)と痹証の違いがはっきりしてきましたでしょうか?

平岡そうですね。衛気虚があるのはカゼも痹証も同じということがわかりました。前線の防衛をしているのが衛気ですが、その後ろ盾にいるのが本丸にいる正気軍で、その働きで進撃してくる邪気を追い返せるか、あるいは侵略されてしまうのかの違いになるのですね。

木村衛気虚と正気虚の「2つの虚がある」という表し方はわかりやすいと思います。(第52回図1)そして内なる邪と、侵入してきた風、寒、湿、熱が互結して、久病化したのが痹証であると。

石川そして、これらの邪集団が、経絡や関節に停留してしまうことにより痹証が成立します。当然、気血を阻滞して流さない。それを「痹」と称するのですね。「痹は閉なり」と言われるゆえんです。経絡・経筋にはしびれ、だるさ、痛みを、関節には腫脹、熱感、疼痛、機能障害をもたらすことになる。

木村以前先生が、関節は大きな経穴みたいなものだと仰っていたのは納得がいきました。経絡を川に例えると、流れ注ぐ関節は表裏合わせて六経の川が注ぐ湖のイメージですね。関節が腫れるようになる痹証は当然1経の原因だけには留まらない。

平岡衛気も栄気も流れ注いでいる関節ですが、一朝事あると邪気も侵入してしまうのですね。

木村外科医にとって、関節は聖域です。関節穿刺の時には、感染しないように細心の注意を払っています。

石川整形外科で関節穿刺する時は細心の注意を施していますね。しつこいくらいに穿刺する患部を消毒液で拭っています。きれいな湖を汚してはいけないからです。

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