週刊あはきワールド 2021年7月14日号 No.721

空間の手触り・肌触り~〈気〉についてのあれこれ~(3)【最終回】

渦巻くエネルギーの交感力と創造力

いやしの道協会会長 朽名宗観 


●気の展開するカタチ

 気のような無形の眼に見えないエネルギーが蓄えられたり、展開したりするときに描くカタチとして、世界各地の文化的な創造物に見られるのが、螺旋です。それについて詳しく論じることは控えますが、一例をあげておきます。新潟県十日町市で発掘された縄文時代中期の火焔型土器は国宝に指定され、教科書等でもよく見かける、「縄文雪炎(じょうもんゆきほむら)」の愛称を持つ有名な発掘品ですが、うずまく螺旋を身にまとっているのが大きな特徴のひとつです。

 この土器の用途は日常的な食糧の煮炊きに使われたのではなく、狩猟採集によって豊かな食糧が得られることを祈るなどの祭祀にかかわる用いられ方をされていただろうというのが、発見当初からの一般的な学説です。

 私はこの土器の実物を十日町市博物館で見たことがありますが、そのときの説明として印象に残っているのは、他にもこのタイプの土器は多く発見されているけれども、捨てられる際には例外なく底が割られているということでした。つまり、祭器としてこの土器を使っていた縄文人たちは、この土器に何らかのエネルギーやパワーが宿るものとして扱い、廃棄する時はそのエネルギーやパワーを抜く必要があると考えていたらしいのです。その宿るものを霊力と言っても良いかもしれませんが、霊力を土器に蓄えたまま放置するのは危険であるから、底を割って抜き取らなければならないという発想をもっていたようです。その霊的な力を満たす器に螺旋模様が用いられたのは偶然ではなく、そうした力がうねるさまをあらわす象徴的なカタチとされていたと考えて良いでしょう。
 

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