週刊あはきワールド 2021年7月28日号 No.723

あはきメンタル~臨床心理学入門編~ 第9回

一人でできるカウンセリングのトレーニング(5)

~コーチング(1)~

目白大学大学院心理学研究科教授 奈良雅之 


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 オリンピックの各競技で白熱した試合が展開されています。試合中の選手のプレーや表情もさることながら、コーチ・監督のインタビューコメントにも興味深いものがあります。

 コーチの語源は「馬車」で、ハンガリーの村の名がその由来といわれており、人を送り届ける役割がコーチの仕事とされています。スポーツにおけるコーチの役割として、久保正秋氏は、ベネット(1983)を引用して、「コーチは競技者あるいはチームの技能向上をはかり、競技に向けて身体的、精神的準備をさせ、その競技の最中に助言をする人」と定義しています。一般的には、スポーツに限らず行為者・学習者に助言して適切な行動を導き助言する人をコーチと呼び、また、その仕事をコーチングと呼んでいます。

 コーチの行為は、①勝利のための行為⇒選手が体力・技術・戦略などを向上させ、勝利を得る、あるいは得ようとするための働きかけ、②教育のための行為⇒選手が活動の楽しさや成功体験、有能感、自己決定感などを獲得・向上させるための働きかけの2つに分類することができます。特にジュニア世代のスポーツ指導には、後者の教育のための行為は欠かすことができません。初心者に対して、コーチは、その楽しさを理解できるように働きかけて、結果よりも、まずは、経験を積むことを目標とするコーチングが多く選択されます。そのことにより、選手がその種目を継続して実施する率が高くなるからです。

 わたしたち鍼灸師も、先輩から学び、後輩を指導することが行われています。そのような教える、教えられるという行為もコーチングという言葉に置き換えることにより、異なる視点から振り返ることができるかも知れません。ここでは、福島脩美先生の『自己理解ワークブック』から「コーチング」の章を取り上げて、紹介したいと思います。

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