週刊あはきワールド 2021年8月4日号 No.724

丹塾症例カンファレンス 第6回

喉の圧迫感を訴えた頚肩痛患者症例のリスク管理

 小澤伸枝×丹塾学術部 


第4回 訪問鍼灸マッサージ師の悩み(綱島さなりほか)
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発表:小澤伸枝(鍼灸師)×丹塾学術部
コメント:小澤伸枝(鍼灸師)×丹塾学術部

 今回の症例は接骨院から鍼灸院に紹介された症例です。臨床の現場では紹介されたり、紹介したりする症例はたくさんありますが、患者さんを拝見する時期によってリスク管理が大いに異なることがあり、患者をみる際に大きな影響を与えます。今回の丹塾発表では同じ症例でも、接骨院に来院した時と、その後2週間後に紹介された鍼灸院では、術者の医療態度は大いに異なる好例でした。本稿では、丹塾での症例検討会の後に行われた、リスク管理に焦点をあてた「ふりかえり討論」の一部分を再録します。

■症例提示

42歳女性 
主訴)頚肩部痛 頚部前~側面の閉塞感
現病歴)
 1カ月半前に、仕事中に両側頚肩に重痛を感じたが放置したところ徐々に悪化し、頚部の可動域制限も生じる。一時は臥位でも頚部痛を感じるほどに悪化。1カ月ほど経って、整骨院を受診。頚部後屈・回旋の疼痛による両側可動域制限あり。同時に、頚部前面に圧迫感があり 「喉を押されるような」「息苦しいような」「呼吸しづらいような」感じがある。上肢症状はない。
 さらに2週間後に接骨院からの紹介で鍼灸院を受診。両側頚肩部痛・可動域制限ならびに頚部の圧迫感は一時期よりは若干軽減している。
既往歴)20代交通事故
服薬歴)なし
スポーツ歴)なし
社会歴)機会飲酒、喫煙なし、未婚、環境の変化なし、ストレスが全くないわけではないが、仕事や私生活でのトラブルや悩みなし。
身体所見)
 頚部ROM:後屈30°、右回旋30°P、左回旋30°P
 回旋時疼痛部位はC4~C7両側横突起および肩中兪・肩外兪・肩井辺り。
 熱感・腫脹なし、頚部リンパ節腫脹なし、咽頭の発赤なし
 二便異常なし、月経異常なし
 腹症:胸脇苦満なし
 脈:滑やや渋、整
 舌:やや紅、薄白苔、尖紅、怒張あり

■最初に訪れた整骨院ではリスク管理が大事!

 本症例は、最初に患者をみた整骨院は相当なプレッシャーだったはずである。日常臨床において「喉を押されるような」、「息苦しいような」、「呼吸しづらいような」症状は、急変に直結する徴候と判断せざるをえない。呼吸困難のRisk factors(危険因子)を思わせるので、接骨院院長は致死的疾患を想起して、対処しなくてはならない。下記図1は整骨院来院時の症例カルテを想定して要約で書いたものである。
 

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