週刊あはきワールド 2021年9月1日号 No.728

丹塾症例カンファレンス 第7回

手指の痛みを訴える更年期障害の患者

 木俣美奈×丹塾学術部 


第4回 訪問鍼灸マッサージ師の悩み(綱島さなりほか)
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 今回の症例は、慢性に経過している手指の痛みを中心に訴える患者の急性増悪をきっかけに、「関節痛」の概念から、見直し検討してみた。

 複雑で様々な訴えを聞くことは臨床の場では多いが、丹塾でカンファレンス症例として皆と一緒にひも解いていく中で、いつも丹塾で学んでいる「プライマリケアでみる関節痛カテゴリー」のうちの「慢性多関節痛」として推論を展開すれば、複雑な訴えに対しても整理していくことができた。

 自分一人で診察しているときは、どのような疾患であるのか不明なまま治療していたが、今回発表の場を与えられて更年期障害関節痛という診断推論に至ったので、その臨床推論の経緯を報告する。

■症例提示

Mさん 54歳 女性
主訴)手指の強張りと痛み
現病歴)
 3年前から左手の強張りが気になることがあった。同時に、時折両膝痛や左股関節痛があった。昨年春先に引越し準備と草むしりをした後から 左手指の強張りと痛むことが多くなった。症状の強い時は、左前腕尺側〜肩関節の辺りまで痛む。
 現在に至るまで軽度に継続していたが、3日前から左第2〜4指と右第4指のPIP及びMP関節周囲の強張りと痛み。発赤、腫脹、熱感を認める。思い当たるきっかけは特にない。朝起床時、手を使いすぎた時、天気の悪い日に強張りと痛みが強くなる。入浴、台座灸などで温めると楽になる。左股関節、左完骨と左肩井にも違和感がある。X線検査では異常なし。昨夏に行った各種血液検査では異常がなかった。
 舌脈診:舌体痩薄、やや紅、舌尖紅、苔少滑、顫動 脈細

 さらに医療面接を進めてOPQRSTを整理した。問診で最低限聞き出したい情報はOPQRSTでまとめるが、本来ならば、主訴に関してのみ一つで行うところであるが、本症例では愁訴である関節痛が複数あるため、2つの表にした。またあわせて、身体診察も含めて表にした。
 

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