週刊あはきワールド 2021年9月8日号 No.729

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.87-2

膝痛に対する私の鍼灸治療法とその症例(2)

~メンタル・タフネスの鍛え方と治療同盟のつくりかた(症例を中心に)~

神戸東洋医学研究会 早川敏弘 


◎本シリーズの過去File≫≫  見る
 
 前回は、「膝痛の患者さんは『破局的思考』をもっていることが多く、いかにその『呪い』を解くのか? の方法論を書かせていただきました。膝痛患者さんと戦略的に『出会い』、ラポールをつくり、患者さん自身に自分を治すようなメンタルのセッティングにすることに専念します。患者さんと『治療同盟(セラピューティック・アライアンス)』をつくることが、自分なりにつかんだ、膝痛治療のコツといえます。また、同時に、鍼灸師としてのメンタル・コントロールについて私見を書かせていただきました。今回は、症例を中心に書かせていただきます。

症例1)
足底腱膜のトリガーポイントが膝痛の原因だった例

 まずは、最近の症例から、診察の流れを書いていきます。

 2021年4月××日に神戸東洋医療学院付属治療院で診た女性の患者さんです。主訴は右膝痛、職業は看護師さんで、変形性膝関節症の診断も受けて、関節水腫も何度か注射器で水を抜き、ヒアルロン酸注射も経験されています。痛みがある際は、ロキソニンを内服しています。この方を診察する際は、神戸東洋医療学院の卒業生で研修生の方に入っていただき、診察の流れを指導しながら行いました。既往歴として、右の外反母趾があります。

 まず、病歴を問診した後に、「痛いところはどこですか、一本指で指さしてください」とお伝えすると、「実は、よく、わからない」とおっしゃいます。こういう方は多いので、再度、「そこをあえて言うなら!」とお伝えすると、右膝の内側関節裂隙あたりを指さされます。こういった部分は灸点ペンなどでマークしたほうが良いです。

 そのあとは、隣にいる研修生に指導しながら、患者さんを椅子に座った座位にして、触診をしていきます。

 まずは、膝蓋骨の周辺部です。膝蓋骨のまわりを円を描くように押していきます。膝蓋大腿関節症の場合は、膝蓋骨周辺に圧痛があります。

 次に関節裂隙を内側に触りますが、意外なことに圧痛がないです。ここで「本当に変形性膝関節症なのかな?」と思い始めました。
 

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