週刊あはきワールド 2021年11月3日号 No.736

丹塾症例カンファレンス 第8回

もうひとつの慢性多関節痛 それは両膝の痛みから始まった

 鍼灸師木俣美奈×丹塾学術部 


第7回 手指の痛みを訴える更年期障害の患者(木俣美奈ほか)
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 第7回の症例カンファレンスでは「更年期障害による多関節痛」の症例を投稿させていただきましたが、今回は、前回につづき、「プライマリケアでみる関節痛カテゴリー」のうちの「慢性多関節痛」を臨床で十分に活用できるようになるため、もうひとつのバリエーションについて症例報告いたします。

<症例提示>
Aさん 33歳女性
主訴:両膝痛
初診日:XX年9月
3カ月前、膝をついて立ち上がろうとしたときに、両側の膝をついた部分に痛みが起きた。
この3カ月間、痛みの程度・性質に変化はなく、膝をつく動作以外では痛まない。
他の関節部に異常なし。夜間痛、安静時痛はない。発熱、倦怠感、体重減少などはない。
「リウマチではないか」と心配になり、近隣医受診した。
リウマチ検査(詳細不明):異常なし
既往歴:なし
家族歴:両親)Ⅱ型糖尿病 祖母)リウマチ様症状?
身体所見)膝関節部の熱感・腫脹なし ROM正常

OPQRSTで情報整理
O(発症様式) 3カ月前 膝をついてたちあがろうとして突然発症した
P(増悪・緩解因子) 増悪因子:膝を床につく
緩解因子:特になし
Q(症状の性質) 膝をついた時のみ、今まで経験したことのない何ともいえない腫れぼったく重い鈍痛
その他の動作時痛(ー)
夜間痛(ー) 安静時痛(ー) 発赤(―) 腫脹(―)
R(部位・放散の有無) 両膝 部位は特定できない 放散なし
S(随伴症状) 特になし
T(時間経過) 発症以来、膝をついた時のみ痛みが出る。
痛みの強さは変わらない。

 不思議な膝痛でしたが、General appearanceは良好であり、膝以外の症状はなく、全身症状、倦怠感、皮膚症状、腹部症状、体重の増減などもありませんでした。また、今まで同じような症状は出現したこともなく、その他疾患の既往歴もありませんでした。

 このような患者が来院した場合、どのような思考で推論を進めるべきだったかを、丹塾で症例を発表するにあたり、整理しました。

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