週刊あはきワールド 2021年11月3日号 No.736

東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けて 第36回

私のスポーツ分野の鍼治療

筑波大学オリンピック・パラリンピック総合推進室 宮本俊和 


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Ⅰ. スポーツ選手との出会い

 本シリーズの連載は、あと2回となった。今回は、私がどのようにスポーツ分野の鍼治療に係わってきたか、また、そこから学んだことを伝えようと思う。

 筑波大学でスポーツ選手の鍼治療をするきっかけは、当時筑波大学陸上競技部の跳躍ブロック長をしていた村木征人先生との出会いである。1984年6月から、週2回陸上部の部室で鍼治療を開始した。部室からはトラック全体が見渡せて、治療した選手が走る様子をみることができた。

 鍼治療を始めるにあたり、陸上部員に対して、痛みや疲労を感じる部位の調査とCMI健康調査を行った。120人近くの選手の協力が得られ、短距離・ハードルブロック、中・長距離ブロック、跳躍ブロック、投擲ブロック、混成ブロックなど種目による疼痛部位の違いがあることがわかった。また、CMI健康調査からは、いろいろな部位に痛みを訴える選手は精神的な要素が係わっていることがわかった。

 1988年12月からは、スポーツ医科学プロジェクトが発足して、医師、トレーナー、鍼灸師がチームを作り、大学内のスポーツ選手の施術に当たることになった。怪我をした選手は、スポーツクリニックで医師の診察・治療を受け、近接したトレーニングクリニックでは、鍼治療が必要な場合は鍼治療を受け、トレーニングやテーピングなどの処置が必要な場合は、トレーナー(大学院生、柔道整復師・理学療法士の資格を持った教員)が処置する体制を整えた。

 私は、スポーツクリニックで医師の診察を学ぶとともに、鍼治療の適応について医師にアドバイスをした。そのため、医師と一緒に見た選手を、鍼治療の際にはあらためて自分で検査などを行い、診断名と鍼灸師による検査との関連を学ぶことができた。また、医師も鍼灸師もお互いの治療の適応について認識することができた。『スポーツ鍼灸の実際』という本をまとめることになった。
 

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